無双は、幼い頃から父親のように慕っていた周裘海の死を知り、深い悲しみに暮れていた。彼女は、養父を殺した犯人は駱雲松だと信じ込み、復讐を誓う。無双は、丁雲斉にこの件に関わらないよう忠告する。彼女は丁雲斉を愛しながらも、過去に師匠に背いてまで彼との愛を選んだことを悔いており、複雑な感情を抱いていた。
一方、駱雲松は周裘海の死に不審な点が多いと感じていた。部下からの報告で、丁雲斉と無双が発丘の地から戻り、発丘の弟子たちが彼らに異常なほど敬意を払っていたことを知る。駱雲松は真相を突き止めるため、孫三玄と共に再び発丘総本部へ向かう。駱雲松の妹、楚風鈴は兄の身を案じ、護衛の賀彪に、もしもの時は自分を連れて遠くへ逃げるよう頼む。
発丘総本部に戻った無双は、師匠を天龍だと疑ったことを後悔していた。丁雲斉は周裘海の遺体を調べようとするが、無双はそれを拒み、丁雲斉も強くは求めなかった。その時、駱雲松と孫三玄が到著し、発丘の者たちと無双は彼らを迎え撃つ。戦いの中で、無双は駱雲松の胸に蓮の花の痣があることに気づく。彼女の首の後ろにも同じ痣があり、駱雲松が実の兄であることを知る。無双は幼い頃の記憶を失っていたが、多年前の夜に負傷した子供は自分だったのだ。
その間、孫三玄は周裘海の傷を調べ、天龍による傷であることを確認する。これにより、駱雲松の無実が証明された。一同は協力して周裘海を殺した真犯人、天龍を探し始める。花星辰は、当時、摸金の者たちに紛れて発丘の弟子たちを襲った覆面の一団が、「局長」の命令だと話していたことを思い出す。当初、この「局長」は駱雲松だと考えられていたが、天龍が送り込んだ可能性が高まる。
駱雲松は無双に兄妹として再会したいと伝えるが、無双は幼い頃の経験から彼を恨んでおり、拒絶する。駱雲松は無双の冷たい態度に責任を感じる。彼は楚風鈴に、長年行方不明だった妹を見つけたが、無双はまだ彼らを受け入れられないと打ち明ける。楚風鈴は自分が兄にとって唯一の存在ではなくなったと感じ、極端な行動に出て、賀彪に自分と駱雲松のどちらかを選ぶよう迫る。賀彪は楚風鈴を深く愛しているが、最終的に駱雲松を選び、楚風鈴は絶望する。
最後に、丁雲斉は駱雲松と楚風鈴が衝突したことを知り、楚風鈴と話し合うことを決意する。彼は楚風鈴がこの場を離れるべきだと考え、彼女を探しに向かう。丁雲斉はこの問題を解決し、皆が共に未来の困難に立ち向かえるよう、行動を起こす。物語が進むにつれて、登場人物たちの関係はより複雑になり、それぞれが困難と選択に直面し、今後の展開でさらに明らかになっていく。
第30話の感想
第30話は、多くの事実が明らかになり、物語が大きく動いた回でした。無双と駱雲松が実は兄妹だったという衝撃の事実は、これまでの二人の関係性を考えると非常にドラマチックです。しかし、幼い頃の記憶がない無双が、すぐには駱雲松を受け入れられないのも理解できます。兄への愛憎入り混じる感情が、今後の展開にどう影響するのか気になります。
また、周裘海の死の真相に迫る中で、黒幕「天龍」の存在がより明確になりました。これまで疑われていた駱雲松の無実が証明され、一同が協力して真犯人を追う展開は熱いです。しかし、「局長」という新たな謎も登場し、まだまだ油断できません。
楚風鈴の感情の爆発も見逃せません。兄の愛情が自分だけのものではなくなったことへの嫉妬や絶望は、彼女のキャラクターを深く掘り下げています。賀彪との関係も、切ない選択を迫られることになり、胸が痛みます。
つづく