夜、丁雲斉一行は荒野で野営をすることに。安全のため、孫三玄は周囲に鈴を掛け、近づく者がいれば音で分かるようにする。しかし、一行が休む間もなく、林の中から物音が聞こえる。駱雲松、丁雲斉、孫三玄の3人は物音の正体を探るため、無双と賀彪に三斤と楚風鈴の護衛を任せる。
音を辿っていくと、遠くに若い男の姿が見える。男は、この場所は普通の人々が近づける場所ではないと警告する。男の奇妙な服装から、丁雲斉は宋代の人かその子孫ではないかと推測する。まだ彼らの生活圏には入っていないと判断した丁雲斉は、翌日さらに深く調査を進めることにする。
翌日、丁雲斉は無双、駱雲松、孫三玄を連れて再び森に入る。道中、謎の男が残した発煙筒を発見。孫三玄と駱雲松は、摸金校尉が使う道具だと判断し、丁雲斉は五門の者たちもこの辺りで活動しているのではないかと疑う。さらに進むと、人の生活の痕跡を発見するが、すぐに伏兵に襲われ、激しい戦闘になる。その時、丁雲斉が柳葉飛絮の技を使うと、リーダーの于十七は攻撃を止め、丁雲斉に身分を尋ねる。丁雲斉が天官追魂令を見せ、丁家の家訓を暗唱すると、彼らは同じルーツを持つ丁家の者であることが判明する。
丁遠山の話によると、丁家の一部の者は総本山の入り口を守る使命を負い、姓を丁から于に変え、一生一世を意味するという。丁雲斉たちは昆崙墟に近づいているようだ。掟により、総本山に入れるのは丁家の末裔だけなので、于十七は丁雲斉だけを連れて行く。総本山には歴代の天官の位牌が祀られており、丁雲斉は最後の天官である丁遠山の名前を新しい位牌に刻む。
総本山には二つの仕掛けがある。一つは入り口の仕掛けで、天官追魂令を適切な場所に差し込むか、正しい星図の鍵を使えば開く。しかし、星図を適当にいじって入ると、門の閂が自動的に外れて閉じ込められ、二度と出られなくなる。もう一つの仕掛けは位牌の位置にあり、中央の位牌を回すと洞窟が崩落する。
星図の鍵について、丁雲斉は知らない。この鍵はどんな書物にも記載されておらず、口頭でのみ次期天官に伝えられる。しかし、ある代の天官が不慮の死を遂げたため、その秘密は失われてしまった。丁雲斉は自分をおとりにして天龍を誘い出すことを決意し、三斤を危険に晒したくないため、孫三玄に愛武を手配させ、三斤を逃がす。三斤に心配をかけないよう、丁雲斉は事前に手紙を書き、偽の内容の封筒に入れ、三斤には普通の使いだと思わせるが、実はこれは丁雲斉が三斤に残した「遺言」だった。
一方、楚風鈴は夫人に知らせる方法を考えていた。彼女はわざと火を起こして大量の煙を出し、夫人の部下に情報を伝えようとする。幸い、賀彪が彼女の意図に気づき、止める。丁雲斉は危険が迫っていることを察知し、野営地を変えることを決断する。
その頃、天龍は部下を引き連れ、丁雲斉一行を追い始めていた。天龍の部下は賀彪が隠した車を発見し、まだガソリンが残っているのに使われていないことから、丁雲斉が水路を行く可能性を推測する。天龍たちは水路に沿って丁雲斉の行方を追う。丁雲斉は迫り来る危険に気づかず、未知の方向へと進み続ける。
第33話 感想
「天官の継承者 ディン・ユンチー」第33話は、緊張感と謎解きが絡み合い、物語が大きく動く重要な回でした。丁雲斉たちはついに、自分たちと同じルーツを持つ一族と出会い、総本山へと足を踏み入れます。しかし、そこには巧妙な仕掛けが待ち受けており、星図の鍵の謎も深まるばかり。
特に印象的だったのは、丁雲斉が三斤を想い、自分の運命を受け入れながらも彼女を守ろうとする姿です。偽の手紙を使った「遺言」のシーンは、彼の優しさと覚悟が伝わってきて胸が熱くなりました。
つづく