駱雲松は車に細工がされていることに気づき、天龍の一味が自分たちを監視していると確信する。
楚風鈴は夫人に知らせる方法を模索し続け、賀彪の隙を見て、水に痺れ薬を盛る。楚風鈴を信じる賀彪は疑うことなく、彼女が差し出した水を飲んでしまう。
楚風鈴は賀彪が眠り込んだのを見計らい、林の中で無線機を見つけ、夫人に連絡を取る。夫人は今夜8時に返事をすると伝える。
楚風鈴の背後に天龍が現れ、二人は協力関係を結ぼうとする。楚風鈴は、自分の目的のためなら、父の仇であることさえも気にせず、既に常軌を逸していた。
意識を取り戻した賀彪は、合図の狼煙を上げ、楚風鈴を探しに行く。そして、楚風鈴と天龍を発見するが、薬の効き目が残っており、天龍の相手にはならず、すぐに負傷してしまう。楚風鈴は天龍に賀彪を許すよう懇願する。
天龍は楚風鈴の手と短刀を握り、賀彪に突き刺した。
幸い、丁雲斉たちが狼煙に気づき、駆けつけ、天龍の行動を阻止する。丁雲斉は天龍を事前に仕掛けておいた罠へと誘導する。
しかし、彼ら全員が力を合わせても天龍には敵わなかった。そんな中、無双が天龍の仮面を打ち落とすと、そこに現れたのは死んだはずの周裘海だった。
周裘海の死を確認し、見送りまでした他の者たちも、彼の突然の復活に驚きを隠せない。正体を暴かれた天龍は、まず逃げることを選んだ。
賀彪は重傷を負い、出血多量だった。幸い、丁雲斉が薬箱を持っており、手術を行う。しかし、設備が十分ではなく、賀彪が助かるかどうかは彼の生命力次第であり、たとえ意識を取り戻したとしても、足は不自由になる可能性があった。
駱雲松は激怒する。賀彪がこんな目に遭ったのは全て楚風鈴のためだ。駱雲松は楚風鈴を賀彪の寝台のそばに連れて行き、自分の執念が賀彪をどんな目に遭わせたのかをその目で見させた。
それでもなお、楚風鈴は仮省の色を見せない。夜、彼女は部屋で夫人の返信を待っていた。夫人は、まず丁雲斉を落ち著かせ、身の安全を確保するよう伝え、三日後には軍隊が到著すると告げる。
無双は悲しみに暮れていた。丁雲斉は手術後、無双を慰めに行く。丁雲斉は無双に、今の周裘海は天龍であり、もはや彼女の師匠ではないと告げる。
楚風鈴は、夫人が軍隊を派遣するという情報を丁雲斉に伝え、無双、駱雲松、孫三玄など多くの人々を人質に取り、丁雲斉を脅迫する。丁雲斉は、楚風鈴が権力を得るためなら、肉親の情も顧みず、罪のない人々の命を奪うことも厭わない、その冷酷さに驚愕する。丁雲斉は、決して妥協しないと強く言い放つ。
二人の会話を聞いていた駱雲松は、妹に失望する。今の楚風鈴は、かつての善良な娘とはかけ離れていた。駱雲松は、自分が必死に守り、何の心配もなく生きてほしいと願っていた妹が、冷酷で恥知らずな人間になってしまったことに衝撃を受ける。
駱雲松は楚風鈴を監禁し、自分の許可なくテントから一歩も出ることを禁じる。
丁雲斉は、夫人の軍隊が到著する前に周裘海を倒さなければならないと決意する。しかし、無駄な犠牲を出したくない彼は、黒羽隊と摸金兄弟たちにはこの件から手を引いてほしいと考える。孫三玄は仮対する。寿無疆は彼に恩義があり、師匠の仇を討たねばならない。駱雲松も父の仇討ちが済んでおらず、丁雲斉一人に全てを背負わせるわけにはいかない。そこで、黒羽隊には離脱してもらうが、摸金兄弟たちは各自の判断に任せ、残りたい者は共に戦うことにする。
第34話の感想
「天官の継承者 ディン・ユンチー」第34話は、怒涛の展開で目が離せませんでした。楚風鈴の暴走は見ていて辛いものがありましたが、彼女の目的のためなら手段を選ばない姿勢は、ある意味で魅力的でもありました。賀彪が重傷を負うシーンは衝撃的で、彼の運命が非常に気になります。
そして、まさかの周裘海の復活! 死んだはずの人物が実は生きていて、しかも敵として立ちはだかるというのは、物語の面白さを加速させます。無双の心情を思うと複雑ですが、今後の展開に大きな影響を与えることは間違いありません。
丁雲斉は、仲間を守りながら、周裘海を倒すという難しい決断を迫られます。犠牲を出したくないという彼の優しさが、今後の戦いでどう作用するのか、見守りたいと思います。駱雲松の妹への失望、そして摸金兄弟たちの決意も、物語に深みを与えています。次回の放送が待ちきれません。
つづく