静かなカフェで、丁雲斉と楚風鈴は会っていた。楚風鈴は、丁雲斉が海外で医学を専攻していたことを知り、西洋医学の友人を紹介しようとするが、丁雲斉は丁重に断る。今の丁雲斉は、行方不明の父親を見つけ、目の前の複雑な問題を解決することに集中していた。楚風鈴は、兄の意に仮してまで見ず知らずの自分を助けた理由を尋ねるが、丁雲斉は彼女を友人だとは思っていないときっぱりと答える。楚風鈴は、彼が自分を友人だと認めた時に、疑問に答え、竜骨を返すと告げ、家の電話番号を残して去っていく。
カフェを出た後、丁雲斉は外で待っていた無双と出会う。この街の全てが新鮮な無双は、電話を見たこともなく、バイオリンを武器と勘違いするほどだった。しかし、丁雲斉は彼女を無知だとは思わず、純粋で可愛らしいと感じる。
一方、無双の師兄である江大学問は、師匠の命を受け、密かに無双と丁雲斉を守っていた。二人が無事なのを確認し、帰ろうとした江大学問は、うっかり無双と丁雲斉の結婚について言及してしまう。丁雲斉は事態が収拾つかなくなることを恐れ、周裘海に説明しに行くことにする。
周裘海に会った丁雲斉は、天官の職を継ぐつもりはないとはっきりと伝える。竜骨を無双に渡したのも、婚約のためではなく、一時的な措置だったと。周裘海は、丁遠山がもはや江湖で生き残ることは不可能であるため、丁家の後継者である丁雲斉が責任を負うべきだと説得する。しかし、丁雲斉は揺るがず、必要であれば帮派を解散するとまで言う。周裘海は、丁雲斉が天官を継ぐなら、丁遠山を捕らえた後も罰するだけで殺さず、発丘で一生を終えさせると約束する。しかし、丁雲斉は、父親が生きていると信じ、竜骨と龍王杖を他人に渡すことはできないと拒否する。丁雲斉の態度は周裘海を激怒させ、外で盗み聞きしていた江大学問は二人が衝突することを恐れ、無双に仲裁を頼むが、無双は自分の力では状況を変えられないと悟り、逃げ出す。
その頃、楚風鈴は夫人から任命を受け、昆崙墟の秘密調査員となり、駱雲松率いる黒羽隊を指揮することになる。楚風鈴は兄妹で協力しようとするが、駱雲松の真の目的は、父の仇である丁遠山を追うことであり、楚風鈴の主な目的は昆崙墟を見つけることだった。
家族が危険にさらされることを心配した丁雲斉は、孫三玄に三斤を安全な場所へ避難させるよう命じる。家には料理をする人がいなくなり、初めて料理に挑戦する無双は、なんとか食べられるものを作る。丁雲斉は無双を励ますためにたくさん食べるが、夜になってキノコアレルギーによる胃痛を起こしてしまう。三斤は、丁雲斉がキノコアレルギーであることを無双が知らなかったことに激怒し、二度と厨房に近づかないよう警告する。
一方、駱雲松は密かに竜骨を隠し持っており、駱九天と楚風鈴は、兄が不在の間に書斎で手がかりを探す。二人は偶然出会い、駱九天は告げ口しようとするが、楚風鈴は彼の秘密を知り、「清朝の古墓」という言葉で脅し、告げ口を諦めさせる。こうして、各勢力が丁雲斉とその家族の秘密を巡って複雑な争いを繰り広げる中、丁雲斉もまた、父親を探し、多くの謎を解き明かそうと奮闘する。
第5話の感想
第5話では、丁雲斉と楚風鈴、そして無双の関係性がさらに複雑に絡み合い、物語が大きく動き出した印象を受けました。丁雲斉は父親の失踪の真相を追う一方で、天官の職を継ぐことへの葛藤、そして無双との予期せぬ結婚話に翻弄されています。特に、無双の純粋さが丁雲斉の心を癒やす一方で、彼を更なる混乱に陥れる様子は見ていてハラハラさせられます。
また、楚風鈴が本格的に動き出し、兄との思惑の違いも明らかになりました。彼女の目的が昆崙墟にあることが判明し、今後の展開に期待が高まります。
さらに、丁雲斉のキノコアレルギーのエピソードは、緊迫した状況の中での一服の清涼剤のような役割を果たし、無双のキャラクターをより魅力的にしていました。各勢力の思惑が交錯し、謎が深まる中、丁雲斉がどのように真実を掴んでいくのか、次回の展開が非常に楽しみです。
つづく
