雪晴と雲嬌が協力関係にあるのは、二人とも慕容蔵を愛しているからだ。雲嬌は雪晴に助けを懇願した。雪晴は根っからの悪人ではなく、自分は鎮国公に拾われたのだと言う。かつて街で行き場を失っていた雪晴を哀れに思い、鎮国公は彼女を連れ帰り、雲嬌の身代わりに仕立てた。
鎮国公は雪晴に二つの道を示した。他国へ嫁ぐか、宮廷に入るか。雪晴は後者を選んだ。愛する人のそばにいるためだ。雪晴はなぜ慕容蔵を好きになったのか自分でもわからない。当初は本物の郡主が現れることを恐れていたが、雲嬌が現れてからは、むしろ心が落ち著いたという。雲嬌は自分が駒に過ぎないことを自覚しつつも、慕容蔵の役に立ちたいと願っている。
雲嬌は鎮国公のもとに戻り、郡主として認められた。鎮国公は雲嬌を彼女のかつての部屋に案内するが、雲嬌は何も覚えていない。鎮国公は、雲嬌を虐げた雪晴に詰め寄る。雪晴は、これまでどれほど尽くしても鎮国公に顧みてもらえなかったことに、やるせなさを感じている。
慕容蔵は雲嬌を心配していたが、届いた文を見て激怒する。雲嬌が慕容蔵を助ける方法を考えていると、突然、黒装束の男が部屋に侵入する。雲嬌が確認すると、それは慕容蔵だった。慕容蔵は雲嬌に全てを打ち明け、共に帰るよう求めるが、雲嬌は拒む。ここに残り、慕容蔵を助けたいのだ。雲嬌は慕容蔵の愛が冷めたと思わせるため、わざと冷たい言葉を投げつける。
第20話 感想
第20話は、それぞれのキャラクターの想いが交錯し、物語が大きく動いた回でした。雪晴と雲嬌が慕容蔵への愛のために協力しているという事実は、切ない三角関係を浮き彫りにしています。特に、雪晴が鎮国公に尽くしてきたにも関わらず、報われない姿には胸が痛みます。彼女の「なぜ私を見てくれないのか」という心の叫びが印象的でした。
一方、雲嬌は自分が駒であることを理解しながらも、慕容蔵のために行動しようとする強さを見せます。慕容蔵との再会シーンでは、彼の想いを拒絶し、冷たい言葉を浴びせる姿は、彼女の決意の表れでしょう。しかし、それは慕容蔵を思うが故の行動であり、二人のすれ違いがもどかしいです。
慕容蔵は雲嬌を深く心配し、手紙を見て激怒するなど、彼女への強い愛情が描かれています。黒装束で現れ、雲嬌を連れ戻そうとするシーンは、彼の情熱と行動力を示しています。しかし、雲嬌の真意を知らないまま、誤解が生まれてしまう展開は、今後の波乱を予感させます。
つづく