雲嬌うんきょうは、父である鎮国公ちんこくこうの動向を密かに探っていた。それは、慕容蔵ぼようぞうの調査に協力するためだった。ある日、雲嬌うんきょうは庭で秘密の部屋を発見する。鎮国公ちんこくこうは人がいない時を見計らって、その部屋に入っていた。

実は昔、鎮国公ちんこくこうの妹は皇后だったが、公主を産んだため、皇后の地位を守るために淑貴妃の息子を奪い、現在の皇帝としたのだった。

当時、慕容蔵ぼようぞうの父は太医としてこの一部始終を知っており、それが鎮国公ちんこくこうが沐家を皆殺しにした理由だった。鎮国公ちんこくこうの妹は罪悪感から自害し、鎮国公ちんこくこう雲嬌うんきょうを引き取った。雲嬌うんきょうは幼い頃の記憶を失っていたが、彼女こそが雪晴せつせいだったのだ。雪晴せつせいは名前を雲嬌うんきょうと変えられたが、鎮国公ちんこくこうは姪である彼女を実の娘のように大切に守っていた。

雲嬌うんきょう鎮国公ちんこくこうが密室から出てきた後、自分も密かに中へ入った。すると、全ての記憶が蘇ってきた。雲嬌うんきょうの腕輪は母の形見であり、母が自害を選んだのは、自分が兄の政治の道具になることを望まなかったからだった。

慕容蔵ぼようぞうは皇帝に会い、この件に雲嬌うんきょうを巻き込まないでほしいと頼んだ。しかし、皇帝は激怒し、既に関係してしまった以上、誰も逃れることはできないと言い放つ。皇帝にとって、今はもっと重要な事があり、男女の私情など取るに足らないことだった。

雲嬌うんきょう長生祠ちょうせいしを訪れ、慕容蔵ぼようぞうが復讐を果たした後、二人で静かに暮らすことを夢見ていた。その夜、雲嬌うんきょう慕容蔵ぼようぞうが来たと思い迎えに出るが、そこに現れたのは皇帝だった。

『翡翠の恋~占いから始まるロマンス~』第21話 感想

第21話は、物語の核心に迫る重要な回でした。雲嬌うんきょうが実は雪晴せつせいであり、鎮国公ちんこくこうの過去の秘密や慕容蔵ぼようぞうの復讐の理由が明らかになりました。鎮国公ちんこくこうの妹の悲劇、そして雲嬌うんきょうの母の自害という、重い過去が明かされ、胸が締め付けられる思いがしました。

特に印象的だったのは、雲嬌うんきょうが密室で記憶を取り戻すシーンです。過去の出来事が走馬灯のように蘇り、彼女の心情を思うと涙が止まりませんでした。また、慕容蔵ぼようぞうが皇帝に雲嬌うんきょうを巻き込まないように懇願する場面では、彼の優しさと葛藤が伝わってきました。

つづく