雲嬌は慕容蔵に会いたい一心で、彼がいる部屋の前で待ち続けていた。もし朝になっても全てを話してくれないなら、もう二度と会わないと心に決めて。慕容蔵もまた、扉にもたれかかりながら、雲嬌にどう向き合えばいいのか分からずにいた。
翌朝、雲嬌が目を覚ますと、慕容蔵の上著が掛けられていた。昨夜、彼がそっと掛けてくれたのだろう。目を覚ますと、使用人たちが荷物をまとめている。同僚から督公府が解散することを聞かされ、良い思い出ばかりだった場所が、今はもう昔とは違うのだと実感する。雲嬌は慕容蔵からもらった金針と、彼が掛けてくれた上著を置いていくことにした。思い出は鮮明だが、もう戻ることはできない。
実は、雪晴は生きており、屋台を開いていた。雲嬌は雪晴から、陛下が民のために尽くし、理想を実現したことを知る。そして、雪晴が雲嬌を鎮国公府に連れ戻した理由を尋ねると、雪晴は鎮国公の愛情を確かめたかったのだと告白する。しかし、結局は自分の負けだったと。その時、慕容蔵が明日、長生祠で斬首されるという噂を耳にする。雪晴は雲嬌に急いで向かうように促す。
雲嬌は慕容蔵を探し回った。激しい雨と雷の中、占い師が通り過ぎる。失意の雲嬌の背後に、誰かが立った。慕容蔵だと感じ、雲嬌は微笑む。実は、陛下は慕容蔵が官職を辞した後、彼に酒を賜った。陛下は慕容蔵を友と思っており、殺すことはせず、ただ二度と自分の前に現れないように命じたのだった。二人はついに、堂々と一緒にいられるようになり、慕容蔵は雲嬌に口づけをする。
『翡翠の恋~占いから始まるロマンス~』最終回感想
ついに最終回を迎え、慕容蔵と雲嬌の恋が成就して本当に良かったです!慕容蔵が死んだと思わせてからの再会シーンは、雨の中でのキスも相まって非常にロマンチックでした。陛下が慕容蔵を殺さなかったのは、彼を友人として認めていたからこそで、その友情にも感動しました。
雲嬌が一度は別れを決意し、金針や上著を置いていくシーンは切なかったですが、二人が再び結ばれるための必要な過程だったのだと思います。雪晴が実は生きていて、雲嬌に慕容蔵の危機を知らせる役割を果たしたのも、物語の展開として面白かったです。