慕容蔵は、雲嬌をかばい、自分の手が傷ついていることにも全く構わず、雪晴に冷たく接し、雲嬌を連れてその場を去ります。雲嬌は少し驚きますが、雪晴は、慕容蔵がいつか必ず自分のものになると信じています。
慕容蔵が部屋に戻ると、雲嬌はすぐに彼の傷の手当てをします。慕容蔵は雲嬌の手に自分の血がついているのを見て、それを拭き取ります。
その後、慕容蔵は雲嬌の宦官姿に飽きたと言い、女物の服を著るように言います。雲嬌は喜びますが、外に出た際にうっかり楊太医にぶつかってしまい、薬を地面に落としてしまいます。雲嬌が薬を拾い渡そうとした時、数時間前に楊太医に起きた出来事が見えてしまいます。黒装束の男が楊太医に薬を渡し、何かを頼んでいる光景でした。雲嬌は胸騒ぎを覚えますが、深くは考えませんでした。
楊太医が部屋に入り、慕容蔵は部下たちを下がらせ、楊太医に傷の診察をさせます。楊太医は傷が深いことを確認しますが、慕容蔵の正体を知る者はいません。雲嬌は他の侍女たちから、慕容蔵が夜になると狂暴になる「夜狂症」だという噂を聞き、興味深く聞き入っていました。
そこへ富貴が通りかかり、噂話をしないようにと侍女たちを注意し、慕容蔵に薬湯を届けに行きます。雲嬌は、楊太医に薬を渡した男の腰に青い花が飾られていたことを思い出し、安康の腰にも同じ花があることに気づき、慌てて駆けつけます。富貴が毒見をしますが異常はなく、慕容蔵が薬湯を飲もうとしたその時、雲嬌が飛び込んできて止めます。
雲嬌は、安康が楊太医を脅迫したこと、そして楊太医の娘の簪を安康が持っていることを指摘します。楊太医は、自分を脅迫したのが安康だったことに愕然とします。安康は匕首を雲嬌に突きつけ人質に取ります。雲嬌は覚悟を決めますが、慕容蔵は安康に何か事情があるはずだと、皆を部屋から出し、安康に薬湯を飲むように促します。慕容蔵が薬湯を飲むと、安康は慕容蔵の行動を全て知っていると告げます。
怒った慕容蔵は、安康を器で打ち拠え、命を奪います。そして、雲嬌に目を閉じるように言います。安康が倒れ、雲嬌が目を開けると、慕容蔵の体から血が流れており、雲嬌は気を失ってしまいます。
第3話の感想
第3話は、緊迫感と謎が深まる展開でした。慕容蔵の冷酷さと雲嬌への優しさのギャップ、そして安康の裏切りと最期、目まぐるしく変わる状況にハラハラさせられました。特に、慕容蔵が安康を手にかけたシーンは衝撃的で、彼の抱える闇の深さを感じさせます。
雲嬌の能力も徐々に明らかになり、物語のキーパーソンとしての存在感を増しています。楊太医との一件で、彼女の能力が今後どのように物語に関わってくるのか、非常に楽しみです。また、慕容蔵の「夜狂症」の噂や、雲嬌が見た黒装束の男など、謎も多く残されており、今後の展開から目が離せません。雪晴の執著心も不気味で、彼女が今後どのような行動に出るのかも気になります。
つづく