雲嬌からの突然の問いかけに、慕容蔵は何と言っていいかわからず戸惑います。雲嬌は慕容蔵が自分の「木頭兄さん」であってほしいと強く願っていました。慕容蔵は幼い頃のように赤い紐で雲嬌の目を覆い、そっと耳元で自分は違うと言いますが、雲嬌は多くの矛盾に気づいていました。彼女の好物、手紙、そして赤い紐、これらは全て木頭兄さんしか知らないことばかりです。しかし、慕容蔵は木頭兄さんから預かった手紙を彼女に渡します。
慕容蔵は雲嬌が自分を疑い始めていることに早くから気づいていたため、事前に手紙を用意していました。手紙を読んだ雲嬌は涙を流し、涙を拭いながら慕容蔵に、石兄さんが結婚して奥さんがいることを知り、とても嬉しいと伝えます。慕容蔵も雲嬌に謝罪しますが、雲嬌は笑顔を見せながらも心の中では深く傷ついており、慕容蔵はそのことに気づいていません。
雲嬌は突然慕容蔵の手を握り、彼の手首にまだ赤い紐が巻かれているのを見て驚きます。慕容蔵は彼女を家に連れて帰ると言い、雲嬌は拒否せず、彼のそばに寄り添います。雲嬌は慕容蔵のために何かしてあげたいと慎重に行動しますが、いつもそそっかしく失敗ばかり。それでも雲嬌は慕容蔵を見ているだけで幸せを感じていました。しかし、慕容蔵は雲嬌が今は女性の姿であるため、一緒に寝ることは避けるべきだと言います。
翌日、雲嬌は慕容蔵の昨日の様子を思い出していました。そこに雪晴がやってきて、慕容蔵に縛られることを楽しみにしていると言い、雲嬌に自分も慕容蔵に縛られるように縛ってほしいと頼みます。雲嬌はでたらめを言っていただけなので、適当にごまかします。その時、慕容蔵が現れ、雲嬌を連れて行き、雲嬌はやっと一息つけます。
雲嬌が戻ると、慕容蔵は彼女の首に傷があるのを見つけ、手当てをします。その様子を雪晴が見てしまい、さらに怒りを募らせます。その後、富貴が雲嬌に皇帝からの呼び出しを伝えに来ます。雲嬌は皇帝の目的が分からず不安になりますが、謁見に向かいます。二人が話していると、突然部下から手紙が届き、雲嬌は慕容蔵に何かあったのではないかと心配します。
第9話の感想
第9話は、慕容蔵と雲嬌の関係が大きく揺れ動く、切なくもどかしい回でした。雲嬌は慕容蔵が木頭兄さんではないかと疑いながらも、確信を持てずにいます。慕容蔵も雲嬌の気持ちを知りながら、真実を告げられず、嘘を重ねてしまいます。二人のすれ違いが、見ていてとても切ないです。
特に、雲嬌が慕容蔵の手首の赤い紐を見てしまうシーンは印象的でした。言葉には出さないものの、雲嬌の心の動揺が伝わってきます。また、慕容蔵が雲嬌の首の傷を手当てするシーンは、二人の距離が近づいたように見えて、実は心が離れていることを示唆しているようで、胸が締め付けられます。
つづく