西立病院の心臓外科医である林逸は、主任の曹諾亜の愛弟子であり、8年間、拡張型心筋症を患う兄の世話をしながら、仕事でも優れた成果を上げてきた。東立病院に心臓センターが設立されることになり、曹諾亜は林逸を東立病院へ派遣し、更なる研鑽を積ませることにした。林逸のキャリアの新たな一章が始まろうとしていた。
東立病院への入職前日の朝、林逸はいつものように早く起きて市場へ買い出しに出かけた際、急性心筋梗塞を発症した老人、王璽に出会う。林逸は専門的な判断から王璽に緊急の治療が必要だと考え、病院へ行くよう説得を試みるが、王璽は過去の骨折の経験から、自分の症状もそれと同じだと信じ込み、林逸の勧めを拒否する。病状がいつ悪化するかわからないため、林逸はタクシーを呼び、強引に王璽を病院へ連れて行った。
病院に到著後、林逸は心臓内科の副主任医師である周筱風に王璽の状況を簡単に説明したが、兄の病状が悪化したとの知らせを受け、急いで家に戻り対応しなければならなかった。一方、周筱風は王璽に一連の検査を受けさせ、入院を勧める。しかし、王璽は費用の心配と自身の健康への過信から、密かに病院を抜け出してしまう。
家に戻った林逸は、兄の状況が非常に危険であることを知り、すぐに救急車を呼び、救急隊員が到著するまで応急処置を施した。幸いなことに、林逸の努力により、兄は一時的に命の危機を脱した。その頃、周筱風もまた重症患者の救命に成功したが、オフィスに戻って初めて王璽がいなくなったことに気づく。
この知らせを聞いた林逸は、電話で王璽の状況を確認しようとしたが、具体的な進展はなかった。その間、曹諾亜から電話があり、林逸に東立病院の院長である崔静からよく学び、将来に備えるようにと忠告を受ける。その後、林逸は東立病院の重要な定例会議に参加し、集中治療室の主治医である方筱然や麻酔科医の謝天明など、多くの同僚と知り合った。
会議中、崔静は周筱風が心臓血管医療機器イノベーションコンテストで優勝したことを発表し、林逸を皆に紹介した。その後、周筱風は王璽が危険な状態にある可能性を認識し、彼に連絡を取り再検査を受けさせようとするが、電話番号が間違っていたため、間に合わなかった。不幸にも、王璽は最終的に心筋梗塞で亡くなり、この出来事は皆に大きな衝撃を与えた。
この悲劇に直面し、林逸は感情的に周筱風の過失を責め、王璽の死を招いたと非難する。周筱風は深く自責の念に駆られるが、自分も最善を尽くしたと強調した。その後まもなく、林逸は複雑な心臓手術の助っ人として呼ばれ、卓越した技術で患者の命を救い、同僚たちから高い評価を得る。
しかし、王璽の家族はこの件に納得せず、病院が適切な治療を行わなかったとして責任を追及しています。緊急会議では、双方の間で激しい議論が行われましたが、最終的に合意には至りませんでした。事件後、王璽の家族は病院に説明を求めに来て、現場は一時騒然となりました。病院側は家族の感情を和らげるために最善を尽くしましたが、この一件は関係者全員に深い印象を残したことは間違いありません。
第1話の感想
「問心」第1話は、医療ドラマとしての緊張感と、人間ドラマとしての深みを併せ持った作品だと感じました。林逸と周筱風という対照的な医師のキャラクターが魅力的で、二人の関係性が今後どのように変化していくのか興味をそそられます。
特に印象的だったのは、王璽の死を巡るエピソードです。林逸の熱意と、周筱風の冷静さ、そして患者の家族の感情がぶつかり合い、医療現場の難しさを痛感させられました。命を救うことの責任の重さ、そして医師たちの葛藤がリアルに描かれており、見ているこちらも胸が締め付けられる思いでした。
また、林逸が兄の病気を抱えながらも懸命に働く姿には心を打たれました。彼が抱える個人的な問題と、医師としての使命感がどのように絡み合っていくのか、今後の展開から目が離せません。全体として、スピーディーな展開と緊迫感のある演出で、あっという間に見終わってしまったというのが正直な感想です。
つづく