晏輝は幼い頃から痛みに弱く、注射でさえ怖がるほど。手術室へ向かう際も恐怖で震え、妻の手を強く握りしめて離さない。妻は懸命に励ますが、晏輝は落ち著かない。
林逸は、前の患者の手術で助手が出血の多い切開をしてしまい、その対応に追われていた。その間、晏輝は準備室で不安な時間を過ごす。周筱風は外来の最後の患者を診終え、急いで手術室へ向かう。晏輝は周筱風に不満をぶつけるが、周筱風は林逸を急かす。林逸は手術を終え、すぐに晏輝の手術の準備を始める。
しかし、その時、集中治療室の副主任医師である汪旭から電話が入る。林逸が担当する患者のドレーンが詰まり、心タンポナーデを起こして危険な状態だという。林逸はすぐに行こうとするが、晏輝は朝から絶食で疲れ果てており、今すぐ手術をするよう要求する。他の医師に頼もうとする林逸に、晏輝は承諾せず、さらに脅迫めいた言葉を口にする。林逸は怒って部屋を出て行ってしまう。
崔静が駆けつけ、林逸と共に患者の処置にあたる。しかし、手術室に戻ると晏輝の姿はなかった。その後、崔静は晏輝の手術の件で責任を問われる電話を受ける。林逸は事の重大さに気づき、晏輝に謝罪しようとするが、すでに手遅れだった。
晏輝は開腹手術を恐れ、カテーテル手術を希望。小葉は白及を推薦し、白及も乗り気になる。周筱風は白及に崔静への報告を勧めるが、白及は自信満々で、手術成功後に報告すると言う。さらに周筱風は心臓外科との連携を提案するが、白及は心臓内科の宣伝になると拒否する。
周筱風は晏輝のカルテを詳しく調べる。林逸は患者の状況を尋ねるが、周筱風は海外の文献の症例だと嘘をつく。白及は晏輝を複合手術室に入れ、周筱風を助手に指名。手術が始まるが、白及は誤って血管を傷つけ、晏輝の血圧は急激に低下する。白及は血管が自然に閉じることを信じて手術を続けるが、修復は2度失敗。晏輝の心拍数は上昇し、血圧はさらに低下。白及はパニックに陥る。周筱風はこっそり方筱然に連絡し、心エコーを胸痛センターに運ぶよう頼む。
方筱然は胸痛センターに心エコーがあるのを見て、事態を察知。手術室に駆けつけ、白及が晏輝にカテーテル手術を行っているのを目撃する。周筱風の説得で、白及は心臓外科に助けを求めることに同意。方筱然は林逸に助けを求め、林逸はすぐに駆けつける。林逸たちの懸命な努力で、手術は無事に成功する。
その後、崔静は白及を厳しく叱責し、医師としての本分を果たすよう諭す。白及は深く後悔する。晏輝は意識を取り戻すが、方筱然は晏輝に尿が出ていないことに気づく。林逸が検査すると、心嚢液貯留が判明。汪旭は病院の幹部にありのままを報告する。
江峻岭は林逸に、白及の手術の失敗を隠蔽するよう促す。白及は責任逃れをし、心嚢液貯留は自分のカテーテル手術とは無関係だと主張。方筱然は公然と疑問を呈する。
第10話の感想
第10話は、医療現場の緊迫感と医師たちの葛藤が入り混じり、非常に見ごたえのある回でした。晏輝の手術を巡るドタバタ劇は、命を預かる現場の難しさを痛感させられます。特に、林逸が患者の急変と晏輝の要求の間で板挟みになるシーンは、医師の倫理観と責任感が問われる場面で、胸が締め付けられました。
また、白及の功名心と焦りが引き起こす医療ミスは、見ていてハラハラしました。周筱風の冷静な判断と、方筱然の迅速な行動がなければ、最悪の事態になっていたかもしれません。医師たちの連携プレーと、それぞれの成長が描かれていた点も良かったです。
つづく