周筱風は、林逸が内心で金持ちを嫌悪し、晏輝を故意にターゲットにしていることに気づきます。さらに、林逸の診察室の前にいる警備員の趙が、患者から賄賂を受け取り、順番を無視して診察させているという噂を耳にします。林逸は全く知らず、周筱風に指摘され、患者への態度を仮省します。しかし、話し合いの中で、二人は意見の違いから激しい口論となり、結局、仲違いしてしまいます。
林逸は助手に、警備員の趙が賄賂を受け取っている件を徹底的に調査するよう命じます。重い気持ちで屋上にいると、退院していく患者たちの姿を見て、少し心が慰められます。そこに車椅子の小さな患者を見かけ、林逸は彼に傘を差しかけます。患者の母親は感謝の気持ちを込めて、林逸に出前を注文し、方筱然が届けます。林逸は彼女に悩みを打ち明け、方筱然は林逸が非常に責任感の強い医者であること、ただ晏輝に対して偏見を持っていることを理解します。方筱然の言葉に、林逸は心が軽くなります。
退院した曹諾亜は、毎日縫合の練習を続けていますが、手の震えが原因で進歩が遅く、落ち込んでいます。林逸は見舞いに行き、焦らないようにとアドバイスします。一方、方筱然は白及が処分を受けたこと、そして林逸と周筱風が大喧嘩したことを知ります。彼女は林逸に電話して助けを求めたことを後悔しておらず、周筱風に直接感謝の気持ちを伝え、周筱風を言葉に詰まらせます。
晏輝の病状が回復するにつれて、彼は隣の病室の患者と話をし、林逸が自分を救うために手術を遅らせたことを知り、深く自責の念に駆られます。崔静は周筱風に、優秀な若手医師の選考に参加するよう勧めます。
救急科に、珍しい巨大冠状動脈瘤を持つ若い患者、宋星岩が運び込まれ、林逸と周筱風が共同で治療にあたります。二人は宋星岩の母親に手術のリスクを説明し、母親は大きなプレッシャーを感じながらも手術に同意します。
手術の準備中、林逸は画像診断の専門家である王敏が、彼が曹諾亜の教え子だと知っているにもかかわらず、冷たい態度を取ることに気づきます。しかし、周筱風は、これは王敏の性格によるものだと説明します。林逸の適切な治療により、宋星岩の病状は安定していきます。宋星岩の母親は、息子が再びメトロニダゾールアレルギーを起こすことを心配し、看護師が宋星岩に薬を投与するたびに、そのことを繰り返し強調し、医療スタッフを困惑させます。その後、方筱然はインターネットで、宋星岩の双子の弟がメトロニダゾールアレルギーで死亡したという症例を見つけ、このことは皆の注目を集め、林逸はこの手術を必ず成功させると誓います。
手術の前日、林逸は兄の診察に付き添っていたところ、宋星岩の病状が悪化し、動脈瘤が破裂した疑いがあるため、緊急手術が必要だという電話を受けます。林逸はすぐに心臓センターに戻り、状況を確認した後、宋星岩の母親に手術のリスクを伝えなければなりません。母親の懇願に、林逸は宋星岩の命を救うために全力を尽くすことを決意します。今日は週末で病院の人手が足りないため、于凌雲、方筱然、周筱風は手分けして、手術に参加できる同僚に緊急連絡を取ります。誰もが緊張しながら、目前に迫った困難な手術の準備をし、手術が成功し、宋星岩の命が救われることを願っています。このエピソードでは、医療チームのプロ意識と生命への尊重が描かれると同時に、医師と患者の関係における複雑な感情も明らかにされています。
第12話 感想
『問心』第12話は、医療現場の緊迫感と人間ドラマが交錯する濃密な回でした。林逸の抱える葛藤、そして患者への責任感、周筱風との対立と和解、それぞれのキャラクターの成長が丁寧に描かれています。特に、宋星岩の手術を巡る展開は、手に汗握るものでした。医師たちのプロフェッショナルな姿と、患者家族の不安や願いがリアルに表現され、命の重さを改めて考えさせられます。また、医師と患者、医師同士の関係性における、誤解や偏見、そして信頼といったテーマも深く掘り下げられており、見応えがありました。それぞれのキャラクターが抱える問題や過去が明らかになるにつれて、物語はさらに深みを増していくことでしょう。
つづく