林逸は薔薇に手術を受けるよう懸命に説得するが、彼女は頑なに拒否する。薔薇の病状は複雑で危機的な状況であり、林逸は深く悩む。彼は周筱風に心の内を打ち明けるが、周筱風もまた無力感を感じていた。林逸はさらなる助けを求めて方筱然に相談する。方筱然は快く協力し、薔薇の状況を詳しく調べ始める。彼女は看護師から薔薇の生い立ちを聞く。薔薇は先天性の心臓病を患い、両親に捨てられ孤児院で育った。その後、建波と出会い愛し合うようになるが、交通事故が二人の運命を変えた。運転手の過労運転が悲劇を引き起こしたのだ。
方筱然は薔薇の境遇に同情し、彼女と深く話し合う。薔薇が手術を拒む理由は、昏睡状態の恋人、建波の世話ができなくなることを心配しているからだった。この状況に、林逸は周筱風に、建波がもうすぐ目覚めるというメッセージを薔薇に伝え、彼女に手術を受けるよう促すことを提案する。しかし、周筱風は倫理的な問題を理由に、この提案に仮対する。
それにもかかわらず、薔薇の病状が急変し心不全の症状が現れた時、林逸と方筱然はためらうことなく緊急救命に参加する。医療スタッフの努力により、薔薇の病状は一時的に安定する。林逸は薔薇の命を救うため、方筱然と共に陸治平の助けを求める。陸治平は当初、薔薇の回復は不可能だと考えていたが、林逸と方筱然の懇願により、最後の手段として、善意の嘘で薔薇に希望を与えることに同意する。
陸治平は薔薇に建波が目覚める可能性があると伝え、彼女を説得することに成功する。この知らせに薔薇は感激し、ついに手術を受けることを決意する。しかし、周筱風は一部始終を見ており、林逸のやり方に不満を抱く。それでも、薔薇に再び希望の光が灯ったのを見て、彼は沈黙を守る。
その後、薔薇は微創二尖弁クリップ術が回復を早め、建波に寄り添える時間が増えると聞き、この治療法を選択する。周筱風は外科手術の方が適していると繰り返し強調するが、薔薇の決意は固く、周筱風は白及に報告する。白及はこの機会を利用し、自ら微創手術を行うことを決める。
林逸はこの決定に強く仮対し、薔薇には従来の手術の方が適していると主張する。白及は薔薇の医療費を免除し、微創手術は薔薇自身の希望であると説明するが、林逸は意見を変えない。崔静は、最善の治療効果を保証するために、心臓内科と心臓外科が協力することを提案する。
一方、病院では他の出来事も起きていた。2年前、東江病院は体の各臓器が深刻な機能不全に陥っている高齢患者を受け入れた。この老人は家族も身分証明書もなく、医療費を支払う人もいなかった。方筱然は老人の状況を知り、于凌雲とこの件について話し合う。
林逸は、周筱風が裏で薔薇に微創手術を選ぶよう勧めたのではないかと疑い、二人は口論になる。方筱然は周筱風を弁護し、林逸をさらに怒らせる。関係を修復するため、周筱風は方筱然の好物を買って謝罪し、今後の衝突では身を守るように忠告する。方筱然は、周筱風が母親の方竹清と和解したことに触れ、話題をポジティブな方向に向けようとする。
最後に、病院の廊下で、林逸は患者の家族から謝礼を受け取るが、すぐに于凌雲に提出する。方筱然は通りすがりに林逸を無視し、于凌雲は方筱然が内心不満を抱えていることに気づく。
『問心』第15話 感想
第15話は、医師たちの葛藤と、患者である薔薇の決断が胸を打つエピソードでした。林逸の熱意と、周筱風の冷静な判断、そして方筱然の優しさが、それぞれの立場で薔薇を救おうとする姿に心を揺さぶられます。特に、薔薇が建波のために手術を拒む理由を知った時は、涙なしには見られませんでした。
善意の嘘という難しい選択を迫られる医師たちの苦悩も深く描かれており、医療倫理について考えさせられます。最終的に、薔薇が希望を抱いて手術に臨むことを決めたシーンは、安堵感とともに、周筱風の複雑な心情を思うと、やるせない気持ちにもなりました。
つづく