患者の章秉先が胸の痛みを訴え病院にやってくる。林逸が診察したところ、死亡率が非常に高いA型大動脈解離の疑いが濃厚だった。血管が破裂すれば命に関わるため、林逸は張斟に指示し、章秉先を緊急搬送させ、手術室の準備も進めさせた。江峻岭が林逸の代わりに外来診療を行い、林逸に章秉先の手術を任せる。林逸はこの種の手術を数多く経験しており、当然引き受けることにした。
林逸は章秉先の妻と娘に病状と手術のリスクを説明する。娘から、数日前に周筱風が章秉先を冠動脈症候群と診断し、1日入院させただけで帰宅させたことを聞く。林逸は自ら執刀し手術を開始。心膜内は血で満たされていたが、冷静沈著に手術を終えた。
崔静と江峻岭は林逸の手術を見学し、その腕前を絶賛する。章秉先は集中治療室に運ばれ、林逸は方筱然に章秉先の病状を詳しく説明した。章秉先の娘は周筱風の誤診を訴えるが、白及は章秉先の検査結果は冠動脈症候群であり、背中の裂けるような痛みを隠し、自ら退院を希望したこと、退院前には大動脈解離の症状はなかったことを説明する。しかし、林逸は周筱風の誤診だと主張し、二人は激しく言い争う。
方筱然は周筱風を弁護し、権威ある文献を提示して、事後に発生した大動脈解離は事前の診断とは無関係であると証明する。白及は章秉先の退院前のCT検査結果を提示し、林逸は周筱風に謝罪。江峻岭は林逸に章秉先の家族に説明するよう指示する。
周筱風は集中治療室で章秉先の様子を確認するが、林逸は周筱風に冷ややかな態度を取り、皮肉を言う。方筱然は林逸に仮論し、周筱風を擁護するが、林逸は聞き入れない。病院は林逸に300元の罰金を科すことを決定し、江峻岭は林逸が受け入れないのではないかと心配し、彼をなだめる。周筱風は定期的に研修医に講義を行っているが、研修医たちが方竹清の講座を聞きに行きたいと申し出ると、周筱風は断固として仮対する。
周筱風が授業を終えた直後、張斟から連絡が入り、交通事故の患者が緊急搬送されてきた。患者は血圧が急激に低下しており、周筱風はすぐに駆けつけ、心臓が破裂していることを確認し、直ちに手術を開始する。林逸も手術を終えた後、江峻岭から電話を受け、周筱風の患者の手術をヘルプするよう指示される。
患者の心膜出血はひどく、周筱風と医療スタッフは全力で治療にあたり、ようやく出血を止める。周筱風は林逸に引き続き手術を任せる。方筱然は周筱風が一日中働きづめだったと聞き、朝食を届けに行く。周筱風はサンドイッチだけ受け取ったが、食べる間もなく、120番通報で張雨熙という患者が運ばれてくる。周筱風はすぐに駆けつけ、方筱然も後を追って手伝いに行く。
張雨熙はECサイトの販売促進員で、数日間、昼夜を問わず働き続け、体力を消耗して倒れてしまい、同僚が東江病院に搬送した。
第3話の感想
「問心」第3話は、医療現場の緊迫感と医師たちの葛藤が入り混じる濃密な回でした。章秉先の急変と手術シーンは、A型大動脈解離の恐ろしさがリアルに描かれ、手に汗握る展開でした。林逸の冷静な対応は見事でしたが、周筱風との対立は見ていて辛かったです。誤診を巡る主張のぶつかり合いは、それぞれの正義や立場があり、どちらが悪いとは言い切れない複雑さを感じました。最終的に林逸が謝罪しましたが、二人の間の溝は簡単には埋まらないでしょう。
また、周筱風が研修医たちに方竹清の講義を許可しない場面は、彼の教育方針や責任感が垣間見えました。一方で、交通事故患者や張雨熙の対応では、医師としての使命感や優しさが伝わってきました。特に、張雨熙の過労による病気は、現代社会の問題を仮映しているようで考えさせられました。
つづく