2000年5月、秦理は王頔にジョーダンのトレーディングカードをプレゼントするため、トイレで他の生徒がカードを持っているのを聞きつけ、50元の現金と数学の宿題と引き換えにカードを手に入れる。
同年10月、学校のボイラー室で爆発事故が発生。秦理は怪我を負い、病院に搬送される。知らせを聞いた黄姝は病院に駆けつけ、秦理を学校に行かせたことを深く後悔する。秦理の兄、秦天は学校の教頭を追い払い、意識不明の弟を前に、父が残した金で急場を凌ごうと決意。祖父は秦理の様子を尋ねるが、秦天は心配させまいと真実を隠す。
一方、王頔は帰宅後、教頭に呼び出されていることを知る。高磊の家で、アダルトビデオの件をどう処理するか相談するが、高磊は王頔に濡れ衣を着せようとする。翌日、教頭は王頔を呼び出し、ビデオの持ち主を問い詰める。王頔は胡開智のものだと認めるが、教頭は信じない。窮地に立たされた王頔は、秦理を呼んで対質することを提案し、そこで初めて秦理が入院していることを知る。
馮雪嬌は自責の念に駆られるが、もし秦理が行かなければ、自分が病院にいたはずだと考える。さらに、教頭は王頔に秦理を裏切るよう迫り、王頔は苦悩する。教頭は范先生にも、口裏を合わせて秦理に責任を押し付け、自分たちの将来を守るよう持ちかける。
2001年3月、馮国金は、秦天にナイフで脅されたものの、最終的に彼を射殺した日のことを回想する。同僚たちは、証拠が秦天を指しているため、事件は解決したと考えていた。しかし、馮国金は疑問を抱き続け、高磊の家を訪ね、秦理を防空壕に閉じ込めたのかと尋ねる。高磊の両親はこれに激怒し、馮国金に二度と彼らを煩わせないよう、局長に直訴する。
秦理は病床で目を覚まし、最初に目にしたのは黄姝だった。馮雪嬌は病室の外に立ち、中に入る勇気もなく、ただ泣くばかり。その後、王頔は范先生に呼び出され、アダルトビデオが秦理のものだと証明書を書けば、試験で加点し、過去の処分も取り消すと約束される。しかし、拒否すれば退学になると告げられ、王頔は深い葛藤に陥る。
友人たちが秦理に責任を押し付けようとしていることを知った黄姝は、失望と怒りを覚える。彼女は馮雪嬌と王頔の行動を、秦理に対する無責任さであり、悪人よりもたちが悪いと非難。黄姝は馮雪嬌、王頔との関係を絶つことを決意し、4人は元々違う道を歩むべきだったと考える。
2011年12月9日、王頔は故郷を離れず、東北に残って両親の面倒を見ることを決める。父は、人生は白黒はっきりしているもので、目の前の生活を大切にすべきだと王頔を支持する。しかし、王頔は学生時代に胡開智と喧嘩をして金銭を受け取ったことに罪悪感を抱き続けており、ついに父に謝罪する勇気を出す。
施円は曾艳と黄姝の体に刻まれた印を比較分析し、曾艳は死後に刻まれたもので、黄姝は生きている時に刻まれたものであり、自分で刻んだ可能性があると結論づける。その時、馮雪嬌が現れ、馮国金に昼食を届けに来る。そこで、4人が一緒に描いた絵を目にし、その中にあるトーチの絵が、彼女に数えきれないほどの思い出を呼び起こす。
第13話 感想
『臆病者』第13話は、過去と現在が交錯し、登場人物たちの心の葛藤が痛々しいほどに描かれた回だった。特に、秦理を巡る周囲の思惑と裏切りが、見ていて辛かった。
ボイラー室の爆発事故、そしてアダルトビデオの件。真実が歪められ、責任の押し付け合いが行われる中で、友情や信頼が脆くも崩れ去っていく様は、現実社会の縮図のようにも感じられる。
王頔が教頭から迫られる選択、そして黄姝の怒りと決別。それぞれの立場での苦悩が、胸に迫る。特に、黄姝の「私たちはずっと違う道を歩むべきだった」という言葉は、あまりにも重い。
つづく