1999年9月:
黄姝の母親が彼女を訪ね、新しいダウンジャケットをプレゼントします。母親は黄姝を幼い頃から芸術学校に通わせたことを後悔しており、彼女を重点中学校に転校させ、より良い未来を歩ませたいと考えています。母親は「大きなこと」を成し遂げれば生活が変わると告げ、去っていきます。
一方、馮国金は遺体事件で眠れぬ夜を過ごしていました。彼は以前その遺体を見たことがあり、馮雪嬌とその人物の家に行ったこともありました。情報を確認するため馮雪嬌に電話し、黄姝に関する情報を得て、事件との関連を調査させます。
2000年1月:
学校の公演で黄姝の演技は皆から羨望の眼差しで見られます。放課後、秦理は自転車で黄姝を、王頔は馮雪嬌を乗せて秦理の家へ向かいます。秦理の家では、まず祖父の部屋に挨拶に行きます。祖父は話せませんが意識ははっきりしています。秦理の兄が帰宅し、手伝いが必要なため、皆で外出を計画します。兄は持ち帰ったお菓子を分け、子供たちは王頔と秦理の秘密基地である屋上で楽しい時間を過ごします。
その後、王頔は皆を自宅に招き、母親は子供たちのために食事の準備を始めます。王頔の母親は麻辣串店を経営しており、子供たちは串打ちを手伝います。馮雪嬌は無意識に「フライドポテトが好きだけど、おじいちゃんに不潔だと言われて食べられない」と言ってしまい、王頔の自尊心を傷つけます。馮雪嬌は謝罪し、王頔は家庭の事情を打ち明け、テーブルクロスがいつもクミンの匂いがする理由を説明します。王頔は馮雪嬌に見下されることを心配しますが、馮雪嬌は彼を親友と思っていないからこその発言だったと弁明します。黄姝も秘密を守ると約束します。王頔は胡開智は既に家の事情を知っているだろうから、人生は不平等だと悟ります。
食事後、子供たちは再び屋上で王頔と秦理が収集した花火を楽しみ、二人の女の子は特に喜びます。馮雪嬌がバーに行きたいと言い出すと、郝帥はバーはふさわしくない場所だと忠告し、卒業まで待つように言います。黄姝は生活のために夜市でパフォーマンスをしたことがありますが、今は学業を優先しています。その後、黄姝はタクシーで帰宅します。
秦理は毎日黄姝を学校まで送り迎えし、毎日ヘアゴムをプレゼントします。ある日、黄姝につきまとう張旭がバイクで彼らを尾行しますが、秦理は鞄で窓を塞ぎ、張旭を追い払います。放課後、秦理は黄姝を家まで送り届けます。ある夜、叔父の家の麻雀の音がうるさく、黄姝は勉強のためにバーに行きますが、そこで再び張旭に出くわします。張旭は黄姝に、彼女は優等生たちとは違う世界の人間だと言いますが、黄姝は彼らに危害を加えないよう警告します。
2001年2月:
警察は黄姝の事件の捜査を続けています。2日が経過しても行方不明者の報告はありませんが、馮国金は汪海涛の家を捜索します。黄姝は大晦日の夜から帰宅しておらず、叔父は彼女が芸術学校にいると思っていました。警察は事件に関係する可能性のある人物を連行し、精神病患者も含まれていました。その患者は、死者の衣服は男からもらった、後にゴミ箱から拾ったと証言を変えます。この証言から、馮国金は黄姝の肩の傷と一致する2つのフックを発見します。
2003年12月:
男が別の男を縛り上げ、冷凍庫にフックで吊るし、動脈を切断します。一方、秦理は一人で誕生日ケーキを見つめ、誕生日を待っています。このシーンは対照的で、秦理の孤独と、今後の展開への伏線となっています。
第5話の感想
「臆病者」第5話は、過去と現在が交錯し、登場人物たちの心の機微が丁寧に描かれた回でした。1999年、黄姝と母親のやり取りは、母の深い愛情と後悔、そして娘の未来への希望が感じられ、切ない気持ちになりました。一方、馮国金の捜査シーンは、事件の真相に迫る緊張感があり、物語に引き込まれます。
2000年の子供たちの無邪気な姿は、青春の輝きと友情の温かさを感じさせ、見ているこちらも心が温まります。特に、王頔の家庭事情が明らかになるシーンは、子供たちの友情が試される場面であり、それぞれのキャラクターの優しさが際立っていました。花火のシーンは、美しくも儚い青春の象徴のようです。
そして、2001年の捜査の進展と、2003年の衝撃的なシーンは、物語が一気に動く予感を感じさせ、今後の展開から目が離せません。全体として、過去の出来事が現在の事件にどのように繋がっていくのか、登場人物たちの関係性がどう変化していくのか、非常に気になる終わり方でした。
つづく