2001年1月、馮国金刑事は黄姝について調べるため、彼女が通う芸術学校を訪れます。黄姝の先生によると、旧正月後、黄姝はずっと学校の寮に住んでいましたが、1月25日以降、姿を消したとのこと。不審な人物によって承認されたと思われる休暇届の存在を知り、馮国金は捜査を深める決意をします。
馮国金が黄姝の寮を調べていると、向かいの寮の女子生徒が警察の姿を見て慌てて隠れるのを目撃します。その生徒から、黄姝が頻繁に壁を乗り越えてバーへ出かけていたこと、そしてある男性がよく彼女を訪ねてきていたことを聞き出します。さらに、助手が発見した本には、4人の後ろ姿の絵が描かれており、それは10年前に黄姝の遺体に刻まれた模様と酷似していました。
一方、2000年1月の回想シーン。秦理、王頔、黄姝、馮雪嬌の4人はスケートに出かけます。黄姝と王頔は見事な滑りを見せる一方、秦理は不器用です。黄姝が秦理にスケートを教える様子を見て、馮雪嬌は面白くありません。王頔に自分を構うよう求めますが、王頔は黄姝に夢中です。そんな中、隣のクラスの体育委員長が現れ、秦理は彼が黄姝目当てだと不快感を抱きます。
帰り道、4人は自転車を走らせ、それぞれの想いを抱えながらも、青春の活気と希望に満ち溢れています。その後、彼らは集まって食事をし、ビールで乾杯。通りすがりの流しに、馮雪嬌は「臆病者」という曲をリクエストします。流しはその曲を知りませんでしたが、4人は一緒に演奏し、合唱し、笑い声が響き渡ります。
別の回想シーンでは、黄姝と馮雪嬌がタクシーで帰宅中、馮雪嬌は黄姝に、秦理と王頔のどちらが好きか尋ねます。黄姝は恥ずかしがって答えませんが、表情から彼女の気持ちは明らかです。一方、王頔も秦理に同じ質問をし、黄姝への想いを探ろうとします。秦理の答えは曖昧ですが、彼の笑顔は黄姝への深い愛情を物語っています。
時は流れ、2011年12月4日。修理店のオーナーは、工具が頻繁に紛失することに不満を抱きながら、秦理に客の車の修理を急かします。同じ頃、馮雪嬌と王頔はカラオケで再会し、再び「臆病者」を歌います。写真の壁に飾られた昔の集合写真を見て、馮雪嬌はかつての幸せな日々がバラバラになってしまったことを嘆きます。彼女は王頔に、かつて自分に気持ちがあったのかを尋ねますが、王頔は沈黙を守ります。
帰宅後、馮雪嬌は父である馮国金にもっと一緒にいてほしいと願いますが、仕事の電話がかかってくることを恐れ、そっと電話を切ってしまいます。その後、馮国金は別の殺人事件の現場へ向かうよう指示を受けます。今回の被害者は曾艳で、死亡日は1日。遺体の傷跡は10年前の黄姝の事件と酷似しており、馮国金は同一犯の可能性を疑います。
容疑者を尋問すると、彼は薬物中毒者で、意識が朦朧としています。しかし、最終的に容疑者は曾艳を黒いセダンに乗せたと供述します。手がかりを元に、馮国金と助手はオランダ村へ向かいますが、そこは荒れ果てた場所でした。しかし、電柱には監視カメラが設置されていました。その頃、秦理は監視装置を通して彼らの行動を観察しており、物語は新たな謎を深めていきます。
第6話の感想
第6話は、過去と現在が交錯し、登場人物たちの複雑な感情が絡み合う様子が丁寧に描かれていました。特に、黄姝と馮雪嬌、秦理と王頔、それぞれの関係性における微妙な心の揺れ動きが、青春時代の甘酸っぱさと切なさを感じさせます。
スケート場でのシーンや、皆で「胆小鬼」を歌うシーンは、彼らの友情や愛情が輝く瞬間であり、その後の悲劇を予感させるだけに、胸が締め付けられます。
また、10年前の事件と現在の事件が繋がりを見せ始め、物語は一気にミステリーとしての深みを増しました。特に、黄姝の遺体の模様と本の絵が一致するシーンは、鳥肌ものでした。
つづく