秦天は、父が以前監禁されていた小屋へ一人で向かい、隠されていた10万元を見つけ出す。彼はその金を祖父の手術費用に充てると宣言する。祖父は秦天の助けを拒み、手術を受けたくないと手振りで示すが、秦天は、その金が彼の息子が殺人と強盗で得た金だと告げ、祖父はさらに衝撃を受ける。
一方、魏志紅は警察署で車の罰金を支払う際、黄姝が殺害されたことを偶然耳にし、ひどく動揺する。鄧岩は姉夫婦の喧嘩の原因となった義兄を追いかける。彼は警察官が一般市民を殴るべきではないと考え、上司に説明を求めるつもりだったが、姉に止められる。
鄧岩は捜査中に事件に関与した疑いのある車両を発見し、持ち主が魏志紅であることを突き止める。魏志紅は1995年に強姦未遂で2年間服役しており、現在は市場で豚肉店を営んでいることが判明。馮国金は鄧岩と共に市場へ向かう。
高磊は王頔から黄姝の電話番号を入手し、彼女に会いたいと電話をかける。黄姝はこの突然の連絡に驚き、秦理に相談する。秦理は王頔が、高磊の持つトレーディングカード欲しさに黄姝の情報を漏らしたと推測し、二人は口論となる。
その後、馮雪嬌の提案で、秦理、王頔たちは一緒に遊びに出かけ、仲直りをする。帰り道、秦理は黄姝にバーで踊るのをやめるよう説得するが、黄姝は金が必要だと答える。秦理は黄姝のために金を稼ぐと申し出るが、黄姝は断り、秦理には勉強に集中して将来大金を稼いでほしいと励ます。
しかし、黄姝はパフォーマンス後に高磊に遭遇し、不適切な接触をされる。そこへ秦理が現れ、高磊を殴ってしまう。黄姝は事態を収拾するため、秦理を先に帰し、バーのマネージャーに事情を説明する。
2011年12月5日、馮国金は手がかりを求めてバーを訪れるが、すでにオーナーが変わっており、監視カメラの映像も破損していた。馮国金は犯人がバーの常連客の一人である可能性を推測する。
尋問中、魏志紅は秦天が真犯人だと主張する。秦天は彼の豚肉店を手伝っており、事件に使われた車も秦天が運転していたと言う。魏志紅は黄姝に危害を加えようとしたが、秦天に阻止されたと供述する。しかし、馮国金は秦天の弟が話せないことを知り、驚愕する。
2000年9月、高考が近づき、馮雪嬌は別れを惜しむ。教師は王頔に作文コンクールへの参加を勧め、王頔は最初は渋るが、最終的には承諾する。
男子生徒たちが地下室に机を運ぶ際、最後に残った秦理を高磊が閉じ込めてしまう。秦理は、アルコールと布切れで松明を作り、出口を探す。一方、黄姝は秦理を待ち続けるが、連絡が取れず、馮雪嬌に状況を尋ねるも不明。高磊は秦理の身を心配するが、地下室の安全が確認できず、沈黙を守る。
第9話の感想
『臆病者』第9話は、様々な出来事が同時進行し、緊迫感と人間ドラマが入り混じった濃密な回でした。秦天の祖父への想いと、それに対する祖父の拒絶は、家族の複雑な関係性を浮き彫りにしています。特に、金銭の出所に関する真実が明かされた時の祖父の心情は、見ていて胸が痛みました。
魏志紅が事件に深く関わっていることが示唆され、物語はミステリーとしての側面を強めています。黄姝の事件の真相に迫る手がかりが見つかる一方で、新たな謎も提示され、今後の展開から目が離せません。
また、秦理と黄姝、王頔と高磊の関係性の変化も見逃せません。青春時代の友情、恋愛、嫉妬といった感情が絡み合い、物語に深みを与えています
つづく