山谷が崩壊寸前となり、柳拂衣は鎮妖塔を使って必死に支えます。村人たちが避難する中、慕瑶は水の妖王を倒しますが、結界によって隔てられた山谷から水の妖后が現れます。水の妖后は重傷で助かる見込みがなく、愛する水の妖王にこの地を去るよう告げ、七階妖丹を差し出して山崩れを逆転させようとします。唯一の条件は、愛する者を解放することでした。水の妖王は絶望の叫びをあげ、結界を破って愛する人のもとへ駆け寄り、彼女を長く孤独にさせたことを悔います。二人にはもはや生きる望みはなく、ただ抱きしめ合います。
この光景を目の当たりにした柳拂衣は力を使い果たし、慕瑶が水の妖后の妖丹を取るのを止めようとし、取引は続けるべきでないと考えます。柳拂衣は自身の生涯の修為を鎮妖塔に注ぎ込み、山谷を安定させようとしますが、慕瑶はこれに激怒します。天官は葛藤の末、水の妖王に水の妖后を弱水の源に連れ帰れば彼女は生きられると伝えます。かつての師や兄弟弟子たちが設けた結界を破壊し、彼らが安全に去れるように、水の妖王は妖丹を捧げて山崩れの危機を逆転させます。
翠翠が山谷に戻ると、凌妙妙と慕声が互いを守り合う姿を目撃し、慌てて目を覆います。水の妖王夫婦の名前は、魅女と愛人の物語に由来し、二つの泉が恋人同士のように寄り添っていることから名付けられました。水の妖王は水の妖后を連れて弱水の源を探しに行きます。慕声は彼が再び悪事を働くのではないかと心配しますが、今回の出来事を通して、慕瑶と柳拂衣の妖に対する見方は変わりました。特に慕瑶は、谷で慕声が一人で水の妖后に立ち向かった勇敢な行動を思い出し、困惑します。凌妙妙は慌てて弁解し、自分も戦いに参加したと言って、気まずい状況を解決します。しかし、柳拂衣は慕声が水の妖后に立ち向かった真実に気づいていました。
天官は町を離れる準備をし、村人たちの再建を助けるために、たくさんの平安符と神器「公輸錦嚢」を残します。凌妙妙と慕声は、彼に直接村人に渡すように促します。天官は村人たちの恨みを心配しますが、純朴で善良な村人たちはすでに事情を理解しており、次々と乾パンを持って天官を見送りに来ます。公輸錦嚢は効果を発揮し、宿屋は修復され、行方不明だった妻も宿屋の主人のもとに戻ってきました。これら全てが、凌妙妙にこの世界への愛着を深めさせ、浮舟が創造した世界の素晴らしさを感じさせます。
突然、凌妙妙は風邪で倒れてしまいます。慕声は急いで薬草を探しに行きますが、町では薬草が限られています。翠翠は同類の気配を嗅ぎつけ、慕声を薬草の精がいる場所へ案内します。そこには風邪に効く薬草が豊富にありました。翠翠は凌妙妙を目覚めさせます。彼は妖を良く思っていませんが、慕声が彼らを傷つけるのを見るに忍びなかったのです。凌妙妙は厨房に駆けつけ、慕声の行動を止め、代わりに飴を作って病気を治すことを提案します。薬草の精たちは喜んで自分の毛を提供し、凌妙妙は慕声に自分が作った飴を無理やり食べさせます。二人の好感度は55%まで上昇しました。このエピソード全体を通して、人と妖との間の調和と相互理解の重要性が描かれています。
『永夜星河』第12話 感想
第12話は、人と妖の関係が大きく変化する重要な回でした。山崩れの危機、水の妖王夫婦の悲しい愛、そして柳拂衣と慕瑶の妖に対する考え方の変化など、見どころ満載です。特に、水の妖王夫婦が互いを思いやり、最期まで一緒にいることを選んだ姿には胸を打たれました。
また、凌妙妙と慕声の関係も進展。凌妙妙の風邪をきっかけに、慕声が薬草の精を助けようとする姿や、凌妙妙が作った飴を強制的に食べさせられるシーンなど、コミカルな要素もありつつ、二人の距離が縮まっていく様子が微笑ましかったです。好感度が数値で表現されるのも、このドラマならではの面白い演出だと感じました。
つづく