慕瑶ボヨウは、柳拂衣リュウフツイが水妖の幻境で何に苦しめられていたのか、ずっと気になっていました。柳拂衣リュウフツイは一行の中で最も強いのに、一番長く幻境に囚われていたからです。柳拂衣リュウフツイは過去を語ろうとしないため、慕瑶ボヨウは不安を感じていましたが、どんな困難も一緒に乗り越えたいと思っています。

一方、凌妙妙リン・ミアオミアオは体調が回復したものの、妙な症状に悩まされていました。翠翠ツイツイによると、それは妙妙が飲んでいた薬草が千年以上生きた妖精の霊力によるもので、しかも草木の妖精は隠れるのが得意だと言います。妙妙は、攻略対象だった慕声ボセイのことを最近忘れていたことに気づき、少し後ろめたい気持ちになります。そこに慕瑶ボヨウがやってきて、翠翠ツイツイは隠れようとしますが、結局見つかり、痒み掻きに変身してごまかします。慕瑶ボヨウ翠翠ツイツイを責めず、一緒に旅に連れて行くことにします。

4人は山外の地を目指して旅を続けます。しかし、妙妙は急に体調が悪くなり、何とか歩き続けます。途中、パンダの像を見つけますが、妙妙以外は誰もパンダを知りません。さらに、何度道を変えても同じパンダ像に戻ってきてしまい、妙妙以外の3人は以前に像を見た記憶を失っているようでした。妙妙は自分の考えを確かめるために目印を残しますが、再び像の場所に戻ると目印は消えていました。

4回目にパンダ像を見たとき、妙妙は状況を説明しようとしますが、振り返ると他の3人の姿はなく、自分だけが未知の空間に吸い込まれてしまいます。そこで妙妙は、本来の物語の展開を目撃します。柳拂衣リュウフツイが自分の目的を明かし、怒った慕声ボセイ柳拂衣リュウフツイを殺し、林虞リング慕瑶ボヨウに毒を盛った後、慕声ボセイに殺されるというものでした。その後、システムの声が聞こえ、これは事故であり、妙妙を元の場所に戻して任務を続けさせると告げます。妙妙は、パンダ像がシステムの媒体であり、NPCは捉妖の世界の中にしか存在できず、一行が世界の境界に近づいたために妙妙以外の記憶が消去されたことを知ります。元の物語の筋書きに戻るためには、妙妙はこの問題を解決しなければなりません。

現実世界に戻った妙妙は、悲劇的な結末を変えようと、慕瑶ボヨウに皆が本心で接していることを信じてもらおうとします。その時、慕瑶ボヨウは欽天監から慕家の玉牌を受け取り、聖京へ向かうよう命じられます。妙妙は物語が本来の筋書きに戻ったと安堵しますが、同時に、これが全員が定められた結末に向かっていることを意味するのかと不安になります。

京へ向かう道中、妙妙は慕声ボセイに両親の記憶について尋ねます。慕声ボセイは断片的な記憶はあるものの、それが現実の記憶なのか確信が持てません。彼は両親に捨てられたため、両親を恋しいとは思っていません。妙妙は慕声ボセイが7歳以前の記憶を失っていることに疑問を抱きます。

妙妙の気持ちを晴らすため、慕瑶ボヨウ慕声ボセイに何か楽しいことをするように命じます。慕声ボセイは竹とんぼを手作りし、呪符を使って飛ばします。竹とんぼは設計に問題がありましたが、呪符のおかげでうまく飛び、妙妙は竹とんぼに願い事をします。

京への到着が近づくにつれ、妙妙は原作の京での物語を思い出し、仲間割れがここから始まることを悟ります。悲劇を避けるため、妙妙は柳拂衣リュウフツイに、京では慕瑶ボヨウ以外の女性に気をつけるようにと忠告します。一行はそれぞれの不安と期待を胸に、京へと向かいます。

第13話の感想

『永夜星河』第13話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。妙妙が吸い込まれた未知の空間で、本来の物語の悲劇的な結末を垣間見るシーンは衝撃的で、今後の展開への不安を煽ります。パンダ像がシステムの媒体だったという事実も明らかになり、捉妖の世界の秘密が少しずつ解き明かされていく面白さがあります。

妙妙が元の世界に戻り、結末を変えようと奔走する姿は、彼女の成長を感じさせます。慕瑶ボヨウに真実を伝えようとする場面では、友情と使命感の間で葛藤する様子が丁寧に描かれていました。慕声ボセイの両親に関する記憶の謎や、竹とんぼのエピソードなど、キャラクターの内面に迫る描写も印象的です。

つづく