小侯爺は慌ただしく趙太妃のもとへ駆けつけ、慕瑶たち方士では帝姫の問題を解決できないだろうと主張し、自ら力になると申し出た。その意図は不純に見えたが、趙太妃は彼が帝姫のことに熱心であると捉え、彼に帝姫を嫁がせることも悪くない選択肢だと考える。その時、以前彼らの費用を支払った謎の人物が再び現れ、主人が宿を用意したこと、そして夜に会いたいと告げる。慕瑶たち4人はこの提案に疑問を抱きつつも、会うことにした。
夜になり、彼らは約束通り倚雲楼へ。店主は4人を温かく迎え、最高級の個室「天星閣」へと案内する。しかし、その内装は「高級」とは程遠い、雑然としたものだった。店主は、これは貴人の指示によるもので、自分たちのせいではないと弁解する。凌妙妙は小説の展開を思い出し、この謎の貴人の正体を突き止めようとするが、原作にはそのような人物は存在しなかった。
道中、小侯爺は従者に礼儀正しくするよう再三注意されていたが、到着するや否や転んでしまう。凌妙妙はすぐに駆け寄り心配するが、小侯爺は好きな女の子を前にして、すぐに体裁を取り繕う。柳拂衣は小侯爺の身元に気づき、凌妙妙は小説では脇役だったはずの彼が、こんなにも出番が多いことに驚く。小侯爺は凌妙妙が自分の扇子に興味があると思い込み、彼女に贈ろうとする。凌妙妙は何度も断るが、小侯爺は譲らない。慕声はそれを見て面白くなく、嫉妬心を募らせる。
宴席で、小侯爺の視線は常に凌妙妙に向けられていた。慕瑶と柳拂衣は数言で小侯爺の秘密を聞き出す。それは、彼が端陽帝姫のそばの妖物を捕らえられないことを望んでいるということだった。小侯爺の従者は秘密が漏れることを恐れ、慌てて彼を連れ出す。実は、小侯爺と別の人物が帝姫の枕元に細工をし、帝姫を狂わせたのだった。従者たちは事が露見することを恐れていた。
慕瑶、柳拂衣、慕声はすぐに小侯爺の悪事を見抜くが、もうすぐ駙馬になるはずの彼がなぜ帝姫を陥れようとするのか理解できない。現代人の凌妙妙は、このようなことはよくあることだと、さほど驚かない。さらに調査するため、彼らは夜に欽天監に忍び込むことにする。凌妙妙は同行を強く希望するが、安全を考慮して、慕瑶は彼女を宿に残し、慕声に見張りを頼む。
一方、凌妙妙、慕声、翠翠の3人は、妖怪を苦しめている店に目をつけて、爆破しようと計画する。欽天監では、慕瑶と柳拂衣が難なく陣を突破。中に入ると、慕瑶は上弦月を発見し、柳拂衣がその新しい主である可能性に気づく。しかし、柳拂衣は剣を抜くことができなかった。
凌妙妙と慕声は店で帳簿を見つけ、誤って薬をひっくり返してしまう。その結果、慕声は異常なほど親密な行動をとるようになる。凌妙妙は幻香の影響を受けており、二人は幻の中で互いの気持ちを打ち明け合う。翠翠が知らせに来た時、この光景を見てひどく当惑する。最終的に、翠翠の助けを借りて、二人は正気を取り戻し、店内の小妖を解放し、悪徳店を破壊する。
夜、凌妙妙は昼間の出来事のせいで眠れず、慕声と翠翠に迷惑をかける。凌妙妙は慕声の部屋に慰めを求めに行くが、隣に寝ていたのは翠翠だった。翌日、皆は昨晩の失態をからかい合う。その頃、柳拂衣は鯨妖の血の効果を調べ終え、幻覚は30分しか続かないことを知る。そして、帝姫の部屋に何の問題もないことから、帝姫の狂気は演技である可能性が唯一考えられる。その後、彼らは欽天監正使の郭修の部屋に呼ばれ、真実がまさにその通りであることを知る。
『永夜星河』第15話 感想
第15話は、物語が大きく動き出した回でした。小侯爺の企みや帝姫の秘密など、これまで謎だった部分が少しずつ明らかになり、先が読めない展開にハラハラさせられました。特に、小侯爺があっさりと秘密を漏らしてしまう場面は、彼の小物感と同時に、裏に潜む黒幕の存在を強く印象付けました。
また、凌妙妙と慕声の関係にも変化が見られました。幻香の影響とはいえ、二人が互いの気持ちを確かめ合うシーンは、見ていてドキドキしました。普段はツンデレな慕声のデレた姿は貴重で、凌妙妙への想いが本物であることが伝わってきました。翠翠の存在も、二人の関係をコミカルに、そして温かく見守る良いスパイスになっています。
つづく