興善殿が5年の歳月をかけて完成し、陶瑩とうえい趙太妃ちょうたいひに、大典の神女として端陽帝姫ていきを使う計画を明かします。この計画では端陽帝姫ていきの命は奪われないものの、彼女の一生の幸福が七皇子に移され、彼女は生涯鬱々とし、何事も思い通りにならない人生を送ることになります。趙氏一族と息子の東宮での地位のため、趙太妃ちょうたいひはこの計画に同意します。しかし、端陽帝姫ていきが既に興善殿に入り、婚礼の儀式を始めようとしていると聞き、趙太妃ちょうたいひは急いで阻止に向かいます。

現場に着くと、趙太妃ちょうたいひは端陽帝姫ていきと小侯爺が既に婚礼衣装を着て、拝礼を行おうとしているのを目にします。母の制止に対し、端陽帝姫ていきは「もう15年も遅れた、これ以上待てない」と告げます。その時、趙太妃ちょうたいひは二人が以前とは違う様子であることに気づき、背後には陶瑩とうえいの姿が現れます。怒った趙太妃ちょうたいひは剣を抜き陶瑩とうえいを刺しますが、彼は灰色の煙となって消え去ります。そこに魇妖イェンヤオが現れ、陶瑩とうえいは既に死んでおり、自分が真の黒幕であると明かします。趙太妃ちょうたいひが「化け物!」と叫ぶ中、子午摂生陣が発動しようとし、欽天監の者たちは慌てふためきますが、郭修グオ・シウだけは慕瑶ボヨウを信じています。

やがて、大殿の賓客たちは恐慌状態にならず、同じ言葉を繰り返していることに気づきます。実は賓客たちは紙人形だったのです。慕瑶ボヨウ柳拂衣リュウフツイが姿を現し、大殿には彼ら4人と趙太妃ちょうたいひだけが生きている人間であり、これでは子午摂生陣は発動できません。最初は強力な怨女かと思われましたが、実際は四階の小妖に過ぎませんでした。10年前の賓客たちの惨死による怨念が魇妖イェンヤオを守る力となっており、怨念がある限り、彼の内丹は破壊できないのです。

その後、魇妖イェンヤオは一同を趙太妃ちょうたいひの夢の中、麒麟山へと誘います。若い頃の趙太妃ちょうたいひは、10枚の断山符で全ての妖孽を閉じ込めるよう命じ、これが天下の安寧のためだと主張します。次の夢では、轻衣侯けいいこうが臨終の際に、趙太妃ちょうたいひに心から愛した人がいたのかを尋ねる場面が描かれます。このことから、小侯爺と帝姫ていきは、轻衣侯けいいこうが旅の途中で女妖を愛したため、趙太妃ちょうたいひが全てを隠蔽したのではないかと推測します。さらに、趙太妃ちょうたいひ轻衣侯けいいこうに忘憂呪を使い、誤って自分の弟を殺してしまったことが明らかになります。

夢は再び興善殿へと移り、趙太妃ちょうたいひは端陽帝姫ていきに神女の役目を負わせることに耐えられず、娘の代わりに雨児という民間の娘を連れてきます。端陽帝姫ていきは雨児の手にあるガラガラを見て、佩雲ペイユンが妹の復讐のために宮廷に入ったことに気づきます。皆に責められても、趙太妃ちょうたいひは自分の過ちを認めません。怨念が強まる中、小侯爺が趙太妃ちょうたいひを庇い、彼女は怨念が実際に命を奪う力を持つことを悟ります。最終的に、趙太妃ちょうたいひが後悔し、過ちを認めたことで夢は砕け散り、魇妖イェンヤオの陣は失敗に終わります。しかし、最後の最後で、彼は苦労して築き上げた陣が無駄になることを良しとしません。

第21話の感想

「永夜星河」第21話は、怒涛の展開と感情の揺さぶりが見事な回でした。趙太妃ちょうたいひの過去と秘密が次々と明らかになり、彼女の行動の裏にある動機や苦悩が深く掘り下げられています。特に、轻衣侯けいいこうへの愛憎と、それによって引き起こされた悲劇は、彼女のキャラクターに複雑な陰影を与えています。

魇妖イェンヤオの策略によって、登場人物たちが夢の世界を巡るシーンは、視覚的にも美しく、それぞれのキャラクターの内面を巧みに表現していました。特に、趙太妃ちょうたいひが過去の過ちを悔い、怨念を鎮める場面は、彼女の人間的な成長と贖罪を描いており、感動的です。

つづく