村での穏やかな夜、慕瑶ボヨウ柳拂衣リュウフツイの新婚生活は順調に始まるかに見えた。しかし、その平穏は長くは続かない。深夜、慕瑶ボヨウは奇妙な音で目を覚まし、激しい頭痛に襲われる。隣で眠る柳拂衣リュウフツイの存在に安心感を覚えつつも、異変を確かめるため外へ出る。

村の外で倒れている男を発見した慕瑶ボヨウは、彼が死んでいるのかと確認しようとしたところ、十娘子じゅうじょうしが現れる。直感的に十娘子じゅうじょうしが男を殺したと疑う慕瑶ボヨウだったが、男は突如として蘇生し、十娘子じゅうじょうしに病気を治してもらったと感謝する。誤解は解けたものの、十娘子じゅうじょうしは妙に緊張しており、慕瑶ボヨウを急いで村へ帰そうとする。

村に戻った後も疑念が消えない慕瑶ボヨウは、郭修グオ・シウに連絡を取り、寒玉蚕と綺魂花が人血を必要とするかについて調べてもらう。その必要はないとの回答を得るが、郭修グオ・シウはそれらの場所には幻妖げんようが存在する可能性があると指摘する。幻妖げんようは数年ごとに繭を作り、4回の脱皮を経て八階の大妖となるという。柳拂衣リュウフツイに危険が迫っていることを察知した慕瑶ボヨウは、急いで村へ戻る。

その頃、慕瑶ボヨウは村人たちの胸に同じような傷跡があることに気づく。村人たちは、それは昔、十娘子じゅうじょうしが人々を救った際にできた傷だと説明する。これまでの出来事から、慕瑶ボヨウは村人たちが生きていないのではないかと疑い始める。柳拂衣リュウフツイを連れて村を出ようとするが、彼は既に楚楚そそに操られており、慕瑶ボヨウに攻撃を仕掛けてくる。楚楚そそは10年前に亡くなった娘であり、この全ての出来事を裏で操っていたのだった。柳拂衣リュウフツイを守るため、慕瑶ボヨウは苦渋の選択を迫られる。青糸を断ち切ることは、柳拂衣リュウフツイを殺すことを意味するのだ。

一方、凌妙妙リン・ミアオミアオ慕声ボセイに関する記憶を失い、見知らぬ人影が脳裏に浮かぶようになっていた。楚楚そそ凌妙妙リン・ミアオミアオの能力を利用して村全体と柳拂衣リュウフツイを支配していた。十娘子じゅうじょうし慕瑶ボヨウを救い出し、満月の夜が楚楚そその最後の結繭の時であると告げる。さらに、十娘子じゅうじょうし楚楚そそに協力していたのは、李准リー・ジュンの命がそれにかかっていたからだと明かす。真の楚楚そそは既に亡くなっており、現在の楚楚そそは妖丹によって維持されている傀儡であり、その目的は死んだ村人たちを蘇らせ、柳拂衣リュウフツイの許しを得ることだった。

その頃、榴娘りゅうじょう慕声ボセイの苦しみを見かねて、琉璃心を使って魅女を再構築し、彼の苦しみを終わらせようとする。しかし、土壇場で自分の行為が凌妙妙リン・ミアオミアオの記憶を奪い、彼女が慕声ボセイとの感情を思い出せなくなることに気づく。最終的に、榴娘りゅうじょうは真実を理解し、当初の計画を放棄して慕声ボセイを解放する。

物語が進むにつれ、郭修グオ・シウ慕瑶ボヨウからの情報に基づいて救援に駆けつけるが、強大な幻妖げんようを前に、二人は勝ち目が薄いことを悟る。特に、欽天監からの援軍がないことを知り、状況はさらに厳しさを増す。それでも、慕瑶ボヨウ郭修グオ・シウは全力を尽くし、来るべき戦いに備える決意をする。

第28話の感想

『永夜星河』第28話は、怒涛の展開で息つく暇もありませんでした!慕瑶ボヨウ柳拂衣リュウフツイの新婚生活の甘い雰囲気から一転、村の秘密と楚楚そその正体が明らかになるにつれて、不穏な空気が増していきます。特に、村人たちの胸の傷跡や、操られる柳拂衣リュウフツイの姿は、ホラー要素も感じさせ、物語に引き込まれました。

十娘子じゅうじょうしの真意や、楚楚そそが抱える悲しい過去、そして榴娘りゅうじょうの選択など、各キャラクターの複雑な感情が絡み合い、物語に深みを与えています。真実を知った慕瑶ボヨウが、愛する柳拂衣リュウフツイを救うためにどのような決断を下すのか、非常に気になります。

つづく