凌妙妙は、妖怪と退治師の世界に転生して以来、物語を元の筋書きに戻そうと奮闘していた。しかし、林府が襲撃されなかったため、慕瑶たち4人組は聖/経へ手がかりを探しに行く必要がなくなり、小さな町で唯一の宿に泊まることに。食事中、慕瑶は凌妙妙の元気がないことに気づき、食事が合わないのかと心配するが、凌妙妙は物語を元の展開に戻す方法を必死に考えていた。
食後、凌妙妙は慕瑶に聖/経へ行くことを提案するが、慕瑶はそこには妖怪が出没することは少ないと考え、退治師としてこの町に留まり妖怪退治をするべきだと主張する。慕瑶は凌妙妙を安心させるため、しばらく宿に滞在して術を教え、彼女が自分で身を守れるようになったら聖/経へ連れて行くと提案する。凌妙妙はその言葉に飛びつき、承諾する。
一方、柳拂衣は皆のために寝床を整えている時、慕瑶が最近の自分の行動に違和感を覚えていることに気づく。柳拂衣は耳を赤くして部屋を出て行き、心の中で疑問を抱く。その後、慕瑶は凌妙妙に術を教え始めるが、慕声はそれを軽蔑し、自分が教えると言い出す。凌妙妙は何度も断り、慕瑶に助けを求めるが、慕声は頑なに教えようとする。結局、慕声は仕方なく、凌妙妙に簡単な火花の術を教える。
術は簡単そうに見えたが、凌妙妙は一日中練習しても全く上達しない。慕声は、この術を使うには法器が必要だと告げ、手近にあった水汲み桶を法器として彼女に渡す。一日中無駄な努力をした凌妙妙は、戦略を変え、慕声の好感度を上げることを試みる。小説やドラマでは師弟関係から恋愛感情が生まれやすいことを考慮し、凌妙妙は入念な計画を立てる。
凌妙妙は慕声の部屋に忍び込み、彼のベッドに可愛い人形をたくさん置いて好感度を上げようとする。しかし、慕声は人形を全て燃やしてしまい、彼女の行動に不快感を示したため、好感度は逆に下がってしまう。その後、凌妙妙は慕声に妖怪退治の知識を教えてもらうが、話に夢中になるものの、術は全く習得できない。凌妙妙は甘えることで慕声の機嫌を取ろうとするが、好感度はさらに下がってしまう。
ある日、凌妙妙が熱心に術の練習をしていると、背後の水槽から突然水妖が現れ、彼女を連れ去ってしまう。異変に気づいた慕声は庭に駆けつけ、水妖と戦い始める。水妖は慕声に敵わず、彼の血を少しだけ欲しがる。水妖は身を守るために凌妙妙を盾にするが、凌妙妙は機転を利かせて逃れる。戦いの最中、水妖は誤って慕声を傷つけてしまうが、彼の血に妖の気配を感じ、慕声が半妖であることを知る。この秘密は物語の終盤で明かされるはずだったが、予期せず明らかになってしまう。
知らせを聞いて駆けつけた慕瑶に真実を知られることを恐れた慕声は、反転の呪符を使って一同を影の世界に引きずり込む。この世界では慕声の術は大幅に弱まり、水妖を倒すことが困難になる。凌妙妙は慕声が水妖に傷つけられるのを見て、ひどく心配する。水妖は慕声が触れられたくない心の傷を次々と暴き、怒った慕声は全力を振り絞って水妖を倒す。しかし、慕声の気は乱れ、結界をすぐに開くことができない。
凌妙妙は心配して慕声に駆け寄る。慕声は彼女に呪符を渡し、正午になったら結界を開いて逃げ、自分の血を全て慕瑶に渡すように告げる。彼の血は誰にとっても魅力的だが、彼はそれを姉にだけ渡したいのだ。凌妙妙はその言葉を聞いて涙を流し、呪符を破り捨て、どんなことがあっても慕声と一緒に脱出すると決意する。たとえ慕声が妖怪であっても構わない、ただ彼に生きていてほしいと願う。慕声は彼女の言葉に心を動かされ、自分の髪紐を外すように言う。凌妙妙が手を伸ばすと、力に弾き飛ばされて怪我をするが、それでも血をつけたまま慕声に這い寄り、彼の髪紐を外す。凌妙妙は再び弾き飛ばされるが、慕声は黒い霧に包まれ、妖の姿を現す。凌妙妙の目には恐れはなく、ただ安堵の表情が浮かんでおり、慕声はさらに驚く。二人の絆は、この出来事によってさらに深まったように見えた。
第7話の感想
『永夜星河』第7話は、物語が大きく動き出す重要な回でした。凌妙妙が物語を元の筋書きに戻そうと奮闘する姿はコミカルでありながらも、彼女の焦りや葛藤が伝わってきました。慕声の好感度を上げようとする試みがことごとく失敗に終わるシーンは笑いを誘いつつも、少し切ない気持ちにもさせられます。
そして、何と言っても衝撃的だったのは、慕声が半妖であるという秘密が明かされたことです。この展開は予想外で、物語の緊張感を一気に高めました。慕声が自身の出自に苦悩し、それでも凌妙妙を守ろうとする姿には胸を打たれます。
水妖との戦いや、影の世界での出来事を通して、凌妙妙と慕声の絆が深まっていく様子も丁寧に描かれていました。凌妙妙が慕声の正体を知ってもなお、彼を信じ、共に生きようとする姿は感動的です。慕声が妖の姿を現した時、凌妙妙が見せた安堵の表情は、二人の関係性の変化を象徴しているように感じました。
つづく