安郡主あんぐんしゅ張小梅ちょう・しょうばいの婚約を祝う宴席は、大いに賑わっていた。崔声さい・せい宝寧ほう・ねいは、万事滞りなく進むよう奔走していた。しかし、周青竹しゅう・せいちくだけは、その華やかな雰囲気に馴染めず、一人寂しげな表情を浮かべていた。宝寧ほう・ねいは、周青竹しゅう・せいちくの心中を察し、愛する人を諦めなければならない苦しみに胸を痛める。

安郡主あんぐんしゅは、宴席に周青竹しゅう・せいちくがいることが気に食わず、わざと難癖をつけて嫌がらせをする。それでも周青竹しゅう・せいちくは耐え、安郡主あんぐんしゅの著替えを手伝いながら、もうすぐここを離れるので、張小梅ちょう・しょうばい安郡主あんぐんしゅだけのものになると告げる。それを聞いた安郡主あんぐんしゅは、ようやく満足げな笑みを浮かべた。

張小梅ちょう・しょうばいは、周青竹しゅう・せいちくをさらに刺激するため、安郡主あんぐんしゅと人前で親しげに振る舞う。周青竹しゅう・せいちくはその様子に耐えきれず、一人宴席を抜け出し、庭の桃の木の下で涙を流す。そして、悲しみに暮れながら、身につけていた笛を吹く。

すると、その笛の音を聞きつけた張小梅ちょう・しょうばいが現れる。張小梅ちょう・しょうばいは、いつでもこの笛を吹けば駆けつけると約束し、周青竹しゅう・せいちくと共にいたいと願う。しかし、周青竹しゅう・せいちくはそれが葉わぬことだと知り、張小梅ちょう・しょうばいに婚礼の儀式に戻るよう促す。張小梅ちょう・しょうばいは、同じ屋根の下で周青竹しゅう・せいちくに会えないなら、周青竹しゅう・せいちくに出て行ってほしいと告げる。周青竹しゅう・せいちくはさらに傷つき、張小梅ちょう・しょうばいが去っていく後ろ姿を見ながら、再び笛を吹く。

笛の音に張小梅ちょう・しょうばいは足を止め、周青竹しゅう・せいちくのもとへ駆け戻る。彼は周青竹しゅう・せいちくの手を取り、共にその場から走り去る。その様子を安郡主あんぐんしゅが見て追いかけようとするが、突如現れた張貴妃に呼び止められる。張貴妃は安郡主あんぐんしゅに何か話があるようだった。

第10話の感想

第10話は、とにかく切ない展開でした。周青竹しゅう・せいちくの、張小梅ちょう・しょうばいへの想いを隠しながらも、安郡主あんぐんしゅとの婚約を祝福しようとする姿が痛々しいです。特に、一人涙を流すシーンは胸が締め付けられました。張小梅ちょう・しょうばい周青竹しゅう・せいちくへの想いを断ち切れず、笛の音に導かれて駆けつけるシーンは、二人の絆の強さを感じさせます。しかし、安郡主あんぐんしゅの存在や、張貴妃の登場など、今後の展開を左右するであろう要素も多く、ますます目が離せません。周青竹しゅう・せいちく張小梅ちょう・しょうばいの愛が、このまま引き裂かれてしまうのか、それとも困難を乗り越えて結ばれるのか、ハラハラドキドキしながら見守りたいと思います。

つづく