栗俐は肖亦驍に電話をかけ、贈り物全てを返すことを告げた。未練がある様子の肖亦驍に、栗俐は婚約もしていないのだから関係を続ける必要はないと、きっぱりと別れを告げた。そして、酔った勢いで電話をかけてくるのもやめてほしいと付け加えた。
一方、韓廷は祖父から夕食の誘いを受け、紀星も一緒に連れて行くことを提案し、承諾を得た。韓廷は紀星の職場へ迎えに行くと、彼女の元気がないことに気づいた。聞けば、紀星の勤める星辰公司が瀚海との競争に敗れたという。紀星たちはコンペのために長い時間準備をしてきただけに、落選は大きなショックだった。韓廷はこの結果を事前に知っていた。審査員から意見を求められ、瀚海と星辰はどちらも東揚グループ傘下の会社だが、業界での評判や実績から瀚海を推したのだ。
夕食の時間、韓廷は紀星を家族に紹介した。車から降りる直前にその事実を告げられた紀星は驚きながらも、韓廷から贈られた新しいイヤリングを身に着けて挨拶に臨んだ。韓苑は紀星に対して冷淡な態度をとった。彼女は紀星と韓家の身分差を気にしているのだ。幸い、路林嘉の母親も同席しており、彼女の温かい心遣いのおかげで紀星は韓苑から嫌味を言われることなく済んだ。
食事中、祖父は紀星に瀚海についての意見と、瀚海を超えるにはどれくらい時間がかかるかを尋ねた。鋭い質問に、紀星は少し考えてから、今は瀚海を超えることは考えていない、星辰は独自の技術、特に骨格分野の研究に力を入れていると答えた。この返答に韓廷は満足し、祖父もそれ以上追及しなかった。
食後、祖父は紀星を誘い、書を鑑賞しながら名前の由来について語り合った。紀星は、星のように輝く瞳から名付けられたと説明した。祖父は、二人の家の格差を埋めるには時間が必要だと諭した。紀星はそれを理解しつつも、自分から韓廷に迫ったのではなく、韓廷からアプローチされたのだと強調した。
その後、韓苑は韓廷が以前瀚海に投資していたことを知り、常河と曽荻に伝えた。三人はそれぞれ思惑があるものの、共通の目的のために一時的に手を組むことにした。曽荻はわざと韓廷の投資話を紀星に教え、韓廷は紀星の純粋さにつけこんでいるだけだと告げた。紀星はショックを受け、騙されていたと感じた。
夜、紀星は韓廷に、もし瀚海が星辰を吸収合併しようとしたらどうするかと尋ねた。異変を感じた韓廷は、瀚海と星辰はそれぞれ強みがあるため、合併は市場のニーズに基づいて行われると説明した。さらに紀星が愛について尋ねると、韓廷は「愛よりも適性の方が重要だ」と答え、紀星は韓廷の現実的で冷静な考え方に失望した。
第30話の感想
第30話は、紀星と韓廷の関係に暗雲が立ち込める重要な回でした。これまで順調に見えた二人の関係に、家族の問題、会社の競争、そして過去の投資話といった様々な要素が絡み合い、亀裂が生じ始めています。
特に印象的なのは、紀星が韓廷の祖父から瀚海について問われたシーンです。厳しい質問にも臆することなく、星辰の独自性を主張する紀星の姿は、彼女の芯の強さと仕事への情熱を改めて感じさせました。しかし、その一方で、曽荻から聞かされた韓廷の投資話によって、紀星の心には疑念が芽生えてしまいます。純粋で真っ直ぐな紀星だからこそ、この出来事が彼女に大きな衝撃を与えたのでしょう。
つづく