その夜、紀星と韓廷はベッドでそれぞれ思い悩んでいた。紀星は瀚海の黒幕を知ったことを韓廷に告げず、韓廷は星辰と瀚海の合併をどうするか考えていた。
翌朝、韓廷は目を覚ますと紀星がいないことに気づき、金庫が開けられた形跡を見つける。紀星は金庫の中の、瀚海と星辰の合併契約書を見てしまったのだ。合併後の会社名まで決まっていた。実は紀星は朝、こっそり金庫を開け、韓廷が星辰を瀚海に吸収合併する計画であることを知ってしまったのだった。
午前中、栗俐と蘇之舟が紀星に融資の話を持ちかける。韓廷の持ち株比率が高くなるのを避けたい紀星は、常河と契約を結ぶ。これにより韓廷の星辰における持ち株比率は薄まり、星辰の運命を自由に操ることができなくなる。
同科からの融資を受けたことが韓廷の耳に入る。同科に星辰の株を買収されては、姉の策略にはまってしまう。同科が星辰内部に入れば、自分は取締役会で追及され、姉に取締役会から追い出される口実を与えてしまう。なんとしても常河に星辰の株を買収させてはならない。韓廷は熟慮の末、常河に会い、自分が持つ広華の株と引き換えに、星辰の20%の株を譲ってくれるよう頼む。
常河は韓廷の申し出を受け入れる。韓廷の広華の株は星辰の株よりもはるかに価値が高いうえ、常河は曽荻に好意を抱いており、曽荻が韓廷に未練があることも知っている。韓廷の広華の株をすべて譲ることで、二人の関係を断ち切ることができるからだ。
夜、紀星は韓廷の家に戻る。同科も星辰に出資した今、もう合併計画は無理だと考えていた。しかし韓廷は、紀星が見る目がないと指摘する。同科が融資したのは韓苑の差し金であり、すべては自分に向けられたものだと。そして、小さな会社は市場で生き残るのが難しく、巨人の肩に乗らなければ遠くまで行けないと説く。さらに、星辰創業時も自分の投資がなければ、今の成功はなかったと語る。
韓廷の言葉はすべて打算と陰謀に満ちており、紀星は深く傷つく。まるでペットか駒のように、韓廷に操られていると感じ、二人の関係は悪化する。
最終的に、星辰は瀚海に吸収合併され、東揚グループはさらに勢いを増し、株価は上昇する。しかし、紀星と韓廷の間には溝ができ、会社の連絡は瀚海を通して行われるようになってしまう。
第31話の感想
第31話は、韓廷と紀星の関係が決定的に壊れていく過程を描いた、非常に悲しいエピソードでした。二人の間には、当初から事業上の利害関係が絡み合っていましたが、今回はそれが決定的な亀裂を生む引き金となりました。
韓廷は、常に合理性を重視し、冷徹な判断で事業を進めていくタイプです。星辰との合併も、彼にとっては事業拡大のための戦略の一つに過ぎません。しかし、紀星にとっては、星辰は自分の夢であり、情熱を注ぎ込んだ大切な存在です。韓廷の冷徹な計算に、紀星は深い失望と悲しみを味わいます。
特に、韓廷が紀星を「見る目がない」と指摘するシーンは、二人のすれ違いを象徴的に表しています。韓廷は、自分の視点からしか物事を見ることができず、紀星の気持ちを理解しようとしない。紀星は、そんな韓廷の態度に、自分がただの駒として扱われていると感じ、激しい怒りを覚えます。
つづく