常河チャン・フー曽荻ゾン・ディーを夕食に誘い、広華の全株式を同科が買収することに同意するかどうか尋ねた。これまで様々な出来事があっても、常河チャン・フーは常に曽荻ゾン・ディーのそばに寄り添い、贈り物も頻繁に送っていた。曽荻ゾン・ディー常河チャン・フーの気持ちに気づかないはずがないが、それでも沈黙を守っていた。常河チャン・フーは、韓廷ハン・ティンのように薄情ではなく、自分の気持ちは真剣で一途だと告白した。この言葉は曽荻ゾン・ディーの心に響いた。かつて彼女は韓廷ハン・ティンのために、黙々と耐え、共に海外へ行き、起業し、あらゆる努力をしたにも関わらず、韓廷ハン・ティンの心をつかむことはできず、完全に敗北した過去があったからだ。

朱氏薬業の責任者、朱厚宇ジュー・ホウユは、法律に違反したため破産を申請し、逃亡生活を送っていた。これには常河チャン・フーの策略が大きく関わっていた。常河チャン・フーは朱氏薬業を陥れるため、買収資金を増やし続け、朱厚宇ジュー・ホウユの欲望を煽り、告発されるように仕向けたのだ。全てを失った朱厚宇ジュー・ホウユ常河チャン・フーに電話をかけ、賠償を要求するが、常河チャン・フーは告発したのは韓廷ハン・ティンだと告げる。

スマート医療機器のサミットフォーラムに、紀星ジー・シン韓廷ハン・ティンは共に参加した。紀星ジー・シンが前回参加したのは星辰シンチェンが買収される前の昨年だった。壇上で韓廷ハン・ティンは、自身の創業時の思いやスマート医療への投資を決意したきっかけについて語った。彼が初めてこのアイデアを思いついたのは、紀星ジー・シンと出会い、彼女が安価な義肢を購入できない負傷者たちのことを悲しんでいるのを見た時だった。ビジネスは利益だけでなく、社会貢献や人々の役に立つことを目指すべきだと考え、韓廷ハン・ティンはここまで歩んできたのだ。

紀星ジー・シン韓廷ハン・ティンの話を聞きながら、涙をこらえることができなかった。冷徹に見える韓廷ハン・ティンが、実は優しい心を持っており、誤解や非難を受けながらも、ずっと初志を貫いていたことを理解したのだ。ついに韓廷ハン・ティンを誤解していたことに気づいた紀星ジー・シンは、フォーラム終了後すぐに韓廷ハン・ティンに電話をかけ、彼が先に帰ったことを知ると、急いで空港へ向かった。

再び韓廷ハン・ティンの家の前に立った紀星ジー・シンは、ためらいながら1年前と同じパスワードでドアを開けてみた。パスワードは変わっておらず、家の中の家具の配置も以前のままだった。彼女がよく使っていた抱き枕も元の場所に置かれていた。冷蔵庫には、紀星ジー・シンが書き残した韓廷ハン・ティンと一緒にやりたい10個のことが貼ってあり、紀星ジー・シンが出国した後、韓廷ハン・ティンが一人で全てやり遂げ、「✓」マークが付けられていた。これらは全て、韓廷ハン・ティンの変わらぬ愛情と彼女への想いを物語っていた。

韓廷ハン・ティンの家にいた紀星ジー・シンは、朱厚宇ジュー・ホウユに誘拐されてしまう。朱厚宇ジュー・ホウユはすぐに韓廷ハン・ティンに電話をかけ、身代金を要求した。電話口で紀星ジー・シンが口を塞がれて監禁されているのを聞いた韓廷ハン・ティンは、すぐに全財産を持って車で誘拐場所へ向かった。道中、唐宋タン・ソンに電話で場所を伝え、警察に通報するよう頼んだ。窮地に追い込まれた朱厚宇ジュー・ホウユの凶暴性を承知の上で、韓廷ハン・ティンは自身の安全を顧みず、一刻も早く現場へ向かった。

ついに朱厚宇ジュー・ホウユと対峙した韓廷ハン・ティンは、銀行カードと現金を渡したが、朱厚宇ジュー・ホウユは隙を見て襲いかかってきた。もみ合いになり、韓廷ハン・ティン朱厚宇ジュー・ホウユのナイフで刺されてしまう。日頃から鍛錬していた韓廷ハン・ティンは、鉄パイプでとどめを刺されそうになった瞬間、朱厚宇ジュー・ホウユと共に階下へ転落した。

紀星ジー・シンは悲鳴を上げながら駆け寄り、階下に停めてあった車の上に落ちた韓廷ハン・ティンの姿を見て、自分も飛び降りようとするほど取り乱した。韓廷ハン・ティンは救急搬送され、一命を取り留めた。面会時間になり、紀星ジー・シンが病室を訪れると、韓廷ハン・ティンは自身の痛みも忘れて、紀星ジー・シンに怪我がないか尋ねた。涙を流す紀星ジー・シンは、なぜ自分の身を顧みず助けに来たのか、自分がどれだけ心配したか、共に死んでしまうところだったと訴えた。韓廷ハン・ティンも涙ながらに謝罪し、紀星ジー・シンはすでに許していると告げた。

第36話の感想

第36話は、息詰まる展開と感動的な再会が入り混じる、まさにジェットコースターのようなエピソードでした。韓廷ハン・ティンの過去の行いの真意が明かされ、紀星ジー・シンとの誤解が解けるシーンは、胸が締め付けられるような切なさを感じました。特に、韓廷ハン・ティン紀星ジー・シンとの「やりたいことリスト」を一人でこなし、チェックマークをつけていた場面は、彼の深い愛情と紀星ジー・シンへの変わらぬ想いがひしひしと伝わってきて、涙が止まりませんでした。

一方、常河チャン・フー曽荻ゾン・ディーへの一途な想いと、それでも報われない切ない片思いにも心を揺さぶられました。韓廷ハン・ティンへの想いを断ち切れない曽荻ゾン・ディーの姿は、誰しもが共感できるのではないでしょうか。

そして、物語に緊張感を与えたのが朱厚宇ジュー・ホウユの存在です。追い詰められた彼の凶行は、韓廷ハン・ティン紀星ジー・シンの幸せを脅かす大きな脅威となりました。韓廷ハン・ティンが自身の危険を顧みず、紀星ジー・シンを救うために奮闘する姿は、まさにヒーローそのもの。手に汗握るアクションシーンは、息をするのも忘れてしまうほどでした。

つづく