あらすじ

曹爽(そうそう)一派は司馬懿(しばい)を失脚させるため、樊城救援を口実に都から遠ざけ、その間に司馬昭(しばしょう)を罠にはめようと画策する。司馬懿は出陣を決意するが、家族や配下たちは彼の身を案じる。一方、司馬昭は何晏(かあん)の誘いに乗り、出陣を強く希望する。曹爽は司馬昭を侮辱し、陰謀を巡らせるが、司馬昭は死士たちに守られ、難を逃れる。曹爽は戦いを中断し、司馬懿弾劾のため長安へ戻る。

ネタバレ

陰謀の始まり

大将軍府では、何晏(かあん)と曹爽(そうそう)が密談中。何晏は、司馬懿(しばい)が夜中に長男の司馬師(しばし)と死士の様子を見に行ったことを突き止め、謀反の罪で司馬懿(しばい)を失脚させようと企んでいました。樊城(はんじょう)への出兵は、司馬懿(しばい)を都から遠ざけるための罠だったのです。何晏は、司馬昭(しばしょう)を爵位で釣って、父や兄を殺させようという恐ろしい計画まで立てていました。

朝廷での攻防

翌日の朝廷。樊城からの急報を受け、曹爽は自分が宮廷を守るためと称して、司馬懿に樊城救援を命じます。しかし、今は真夏の暑い時期。鍾会(鐘会(しょうかい))ら司馬懿派の官僚たちは猛反対し、司馬師(しばし)も激しく反論します。しかし、司馬懿は国のために戦うことを決意し、出陣を受け入れます。曹爽は、8日以内に到着せよという軍令を司馬懿に突きつけます。

司馬家の葛藤

司馬府では、妻の張春華(ちょうしゅんか)が夫の身を案じ、曹爽の横暴さに憤慨しています。司馬懿は、自分の立場が皇帝だけでなく、朝廷全体の注目を集めていることを理解し、慎重に行動しなければならないと妻を諭します。司馬懿は司馬昭(しばしょう)を張春華(ちょうしゅんか)のそばに残そうとしますが、張春華(ちょうしゅんか)は息子たちを一緒に連れて行くよう求めます。司馬師(しばし)は、曹爽が今回の出陣で司馬懿を陥れようとしていることを危惧し、死士を派遣して守ろうとしますが、司馬懿は死士の存在をまだ明かしたくないと考え、秘密を守るよう命じます。

過酷な行軍

魏軍は樊城救援のため出陣。真夏の炎天下、兵士たちは汗だくになりながら進みます。司馬懿も兵士たちと共に歩き、戦場に急ぎます。

曹爽の策略

一方、曹爽の屋敷では宴が開かれ、大臣たちが媚びへつらっています。丁謐(ていひつ)と何晏は、曹爽に人心掌握の機会だと進言し、夏侯玄(かこうげん)と司馬昭(しばしょう)を西蜀の防衛線に配置換えして、司馬昭の弱みを探り、司馬家に致命的な打撃を与えようと画策します。

司馬家の内紛

この知らせを受けた司馬家では、夏侯玄と司馬師が対立。司馬師は弟を危険な場所に送り込むことに強く反対します。

何晏の誘惑

何晏は司馬昭に近づき、今回の出陣がいかに絶好の機会であるかを巧みに説きます。司馬昭は、何晏の罠にはまっているふりをしながら、徐々に彼の計画に協力する姿勢を見せます。

司馬昭の決意

司馬府では、司馬昭が出陣を強く希望し、母の張春華と意見が対立します。自分の力を証明したい司馬昭は、戦場に行く機会を逃したくないのです。

死士の出動

事態の深刻さを知った司馬師は、北山にいる死士の中から30人を派遣して司馬昭を守らせようとします。汲布(きゅうふ)は司馬師の懇願に折れ、最終的に承諾します。

曹爽の侮辱

西征軍の大帳では、出陣を前に曹爽が司馬昭を侮辱し、重要な任務を与えようとしません。そして、李勝(りしょう)に司馬昭を陥れるための陰謀を実行させます。

司馬懿の怒り

呉を攻める司馬懿の陣営に、洛陽からの知らせが届きます。司馬懿は息子の愚かさに激怒し、司馬師に急いで手紙を送ります。

司馬昭の疑念

司馬昭の陣営では、司馬昭が自分を守る死士たちに疑念を抱き、探りを入れています。その時、蜀軍が夜襲を仕掛けてきます。兵士たちは司馬昭を襲いますが、死士たちが命がけで守り、撃退します。司馬昭は、今回の夜襲が自分を陥れるための陰謀だと確信します。

曹爽の撤退

曹爽の大帳では、李勝が司馬昭の家臣たちが武芸に秀でていることを報告します。曹爽は司馬昭の家臣たちを捕らえるよう命じますが、捕らえられた家臣たちは自害し、司馬昭を守ります。曹爽は、戦いを中断して長安に戻り、司馬懿を弾劾する準備を始めます。

何晏の自信

長安の何晏の屋敷では、何晏が自分の計略に自信を深め、司馬懿を捕らえる時を待ち構えています。

つづく