あらすじ

趙雲(ちょううん)は隠された槍術の奥義を習得。呂布(りょふ)は貂蝉(ちょうせん)を董卓(とうたく)に奪われ、怒りに燃える。貂蝉は董卓の元へ…それぞれの運命が大きく動き出す!

ネタバレ

岩壁に刻まれた槍術の奥義に目を奪われた趙子龍(ちょうしりゅう)。それはまるで天からの贈り物のように、攻防、騎馬、歩兵戦、一騎打ち、援護など、あらゆる状況に対応できる四十九の型で構成されていました。彼は狂ったように槍術の練習に没頭し、その全てを自分のものにしようと決意します。そんな趙雲(ちょううん)の成長を間近で見ていた軽衣は、彼のために手作りの藤の槍をプレゼント。「龍行天下軽衣随(龍が天下を行くとき、軽衣はいつも共に)」という愛のメッセージが刻まれた槍を贈られた趙雲は、思わず軽衣を抱きしめるのでした。

一方、呂布(りょふ)は狩りで捕らえた小鹿を貂蝉(ちょうせん)に贈ろうと王允(おういん)の屋敷へ。貂蝉が動物好きだと知っていたからです。貂蝉は、母鹿がまだ董卓(とうたく)の屋敷にいると聞き、王允を通じて呂布に、母鹿を救い出すことを結婚の条件にするよう伝えます。

趙雲と軽衣は、いつの間にか谷底で一ヶ月以上を過ごしていました。趙雲は毎日槍術の稽古に励み、軽衣と愛を語り合う日々。束の間の平和な時間を過ごします。

董卓は王允の屋敷を訪れ、倚天(いてん)剣と青釭(せいこう)剣を要求します。王允は董卓を巧みに持ち上げ、「太師(董卓)こそが天下を治めるべき人物」と進言。董卓はまんざらでもない様子です。さらに王允は、董卓が二つの名剣を手に入れたことを祝うため、養女の貂蝉に歌を披露させます。貂蝉を一目見た董卓は、その美しさに心を奪われてしまいます。

貂蝉が微笑むと、董卓はすっかり骨抜きに。貂蝉が酒を勧めるのに乗じて、その手を握ります。王允は董卓の思惑を察し、貂蝉を董卓の屋敷に差し出すことを申し出ます。董卓は有頂天になり、高笑いするのでした。

呂布は貂蝉を迎えに王允の屋敷へ向かいますが、王允から「太師(董卓)がすでに貂蝉を娶ってしまった」と告げられます。不吉な予感を覚えた呂布は、急いで董卓の屋敷へ向かいますが、門前払い。門番は「太師の命令で、今日は誰にも会えない」と言い放ちます。

その頃、身を捧げる覚悟を決めた貂蝉は、董卓の寝室で静かに待っていました。そこへ、上機嫌の董卓が現れます。貂蝉の美しさに圧倒された董卓は、彼女を掌中の珠のように大切に扱おうと心に誓うのでした。

つづく