あらすじ
趙雲(ちょううん)は郷勇たちと旅立ち、呂布(りょふ)は貂蝉(ちょうせん)への想いを募らせる。董卓(とうたく)は呂布と貂蝉の関係を逆手に取り、自らの権力を守ろうと画策する。趙雲は食糧問題に直面するも、周懐忠(しゅうかいちゅう)の機転で解決の糸口を見出す。
ネタバレ
軽衣は趙子龍(ちょうしりゅう)のことを常に気にかけていますが、夏侯府に閉じ込められているため、彼の消息は全く分かりません。軽衣は再び家出を考えるほどです。一方、戦場へ向かう趙子龍は、愛馬の夜照玉(やしょうぎょく)に別れを告げると同時に、軽衣のことを思い出します。彼女が元気でいるかどうか気がかりなのです。
柳慎(りゅうしん)と飛燕(ひえん)も別れを前に互いの気持ちを打ち明け合います。飛燕は、女性にとって激しい愛も大切だが、温かく見守り、決して見捨てない男性こそが重要だと語ります。
趙子龍たちは、周懐忠(しゅうかいちゅう)率いる郷勇たちと共に旅立ちます。明確な目的地はなく、各地を巡りながら今後の身の振り方を決めるつもりです。趙子龍は、諸侯と交流し、その言動を見極め、誰が真に漢室を思い、国家の危機を救い、民を苦しみから解放できるのかを見極め、彼らこそが真の主君にふさわしいと語ります。
呂布(りょふ)は、董卓(とうたく)が宮中にいる隙に貂蝉(ちょうせん)に会いに行き、真相を問い詰めます。貂蝉は、父が自分を太師府に送り込み、董卓との結婚を待っていたが、董卓が悪い心を起こし、自分を奪ったと語ります。貂蝉は呂布に抱きつき、董卓を見るたびに心が痛むと訴えます。呂布はためらいながらも、万全の策を練るまで待つように言いますが、貂蝉は呂布が自分を慰めているだけだと感じ、生きる意味がないと嘆きます。
物見の侍女が董卓の接近に気づき、湖に石を投げて警告します。貂蝉は苦しむふりをして湖に飛び込もうとし、疑わない呂布は貂蝉を引き止めます。その時、董卓が現れ、その光景を見て激怒し、「逆子!」と叫びます。呂布は慌てて方天画戟(ほうてんがげき)も拾わずに逃げ出します。董卓は激怒し、呂布を懲らしめると息巻きますが、太監の李儒(りじゅ)は、一人の女性のために呂布を敵に回すのは得策ではないと諫めます。李儒は、貂蝉を呂布に与えれば、呂布は感謝するだろうと進言します。
董卓は貂蝉に事情を尋ねます。貂蝉は、自分が庭で花を鑑賞していたところ、呂布が悪い心を起こし、身の潔白を守るために湖に飛び込もうとしたと説明します。董卓は侍女に確認することを提案しますが、董卓は、自分は年老いており、若くてハンサムな呂布の方が貂蝉にふさわしいと考え、貂蝉を呂布に与えることを提案します。貂蝉は死をもって拒否し、董卓のそばを離れないと主張します。董卓は貂蝉を守るため、二度と朝廷に出仕しないこと、太師府を厳重に警護することを約束します。
趙家軍は日々訓練を怠らず、志を同じくする義士たちの参加を待ち望んでいます。趙子龍は百鳥朝鳳槍(ひゃくちょうほうそうそう)を手に入れて以来、武術に夢中になり、毎日休むことなく練習に励んでいます。拾妹(しゅうまい)と柳慎は趙子龍の腕試しを試みますが、二人掛かりでも趙子龍の盲槍に完敗し、彼への崇拝の念を新たにします。
柳慎は趙子龍に、郷勇たちの士気が高く、いつでも国のために戦う準備ができていると伝えます。しかし、趙子龍は部下たちの熱意が高まるほど、プレッシャーを感じています。彼はまだ数十人の食糧問題を解決できていないのです。そこへ周懐忠がやってきて、食糧問題の解決策があると告げます。彼は近隣の村々を回り、収穫の手伝いを申し出たのです。彼らは力仕事が得意なので、数十畝の畑を数日で収穫できます。村民を助けることができ、軍需物資も手に入るという一石二鳥の策です。
つづく