あらすじ

趙雲(ちょううん)は、鉄仮面の侠客として正体を疑われながらも、山賊に捕らえられた人々を救うために奔走する。軽衣も趙雲を助けようとするが、官兵に捕まってしまう。絶体絶命のピンチに、趙雲の師匠である李全(りぜん)が現れ、圧倒的な武力で敵を蹴散らす。高則(こうそく)は趙雲に一騎打ちを挑み、物語は新たな展開を迎える。

ネタバレ

軽衣の侍女は、趙子龍(ちょうしりゅう)こそが旦那様(軽衣の父)と高則(こうそく)が探し求める鉄仮面の侠客だと気づきます。侍女がその情報をリークすることを提案しますが、軽衣はそれを拒否します。父が趙子龍を追うのは董卓(とうたく)の命令によるものであり、鉄仮面は山賊を倒し民を救う義挙を行った人物だからです。しかし、荷物を奪われたり、からかわれたりしたことは、そう簡単には許さないつもりです。

一方、柳慎(りゅうしん)は趙子龍の煮え切らない態度にいら立ち、臆病だと非難します。趙子龍は、両親の願いは3人で生き残り、意味のあることを成し遂げることだと諭します。無駄な犠牲は意味がないのです。

趙子龍の苦悩を察した軽衣は、侍女に酒を届けさせます。趙子龍が酒を飲んだ後、血を吐いたのを見た侍女は驚きますが、軽衣は安堵します。苦しいことを抱え込み、感情を表に出さない人は、心身を傷つけることになるからです。血を吐き出すことで、かえって良くなることもあるのです。

虎牙山の山賊は、趙子龍をおびき出すために、以前助けた女性を捕らえたという偽の情報を流します。明日までに趙子龍が現れなければ、彼の両親をさらし首にし、その女性を三寨主の墓に殉死させると脅します。

趙子龍は、趙家荘へ向かうことが危険だと覚悟し、出発前に青釭(せいこう)剣を飛燕に託します。もし生きて帰ることができても、この剣はもう取り戻さないと告げます。趙子龍が出発した後、飛燕は師である李全(りぜん)に、危険な旅に出る趙子龍をなぜ止めなかったのかと詰め寄ります。李全は、大きな苦難を経験してこそ、人は知恵を身につけられると答えます。趙子龍を鍛え、大物にするために、あえて試練を与えているのです。

趙家荘に現れた趙子龍は、山賊に蜂の巣をプレゼントします。山賊が蜂に追われている隙に、先に捕まっていた柳慎を救出します。軽衣と侍女も趙子龍を助けるために密かに趙家荘に潜入しますが、正体を知らない官兵に捕まってしまいます。趙子龍は、自分が捕まる代わりに軽衣たちを解放させます。趙子龍と柳慎を山賊の本拠地に連行するか、県庁に引き渡すかで、官兵と山賊が揉めているところに、高則が兵を率いて現れます。山賊は敗れ、虎牙山の頭領は負けを認め、仲間を連れて山に帰ります。

趙子龍は柳慎を庇い、再び高則と剣を交えます。絶体絶命のピンチに、師匠の李全が倚天(いてん)剣と青釭(せいこう)剣を持って現れます。武術に長けた李全は、剣を抜かずに敵を倒し、弟子に武術の手本を示します。軽衣は、李全の武術が優れているのに、趙子龍の腕前が平凡なことに疑問を感じます。

多くの刺客が李全に襲い掛かりますが、誰も彼を傷つけることができません。李全は焦る様子もなく、相手をしながら趙子龍に実戦を教えているようです。高則は、盾で太陽光を反射させて李全の目を眩ませ、兵士に矢を放たせます。李全は防ぎきれず、足に矢を受けてしまいます。李全は趙子龍に二つの剣を合わせるように命じます。すると、剣の威力は数倍に増し、高則軍はたちまち敗走します。高則は趙子龍に一騎打ちを挑み、もし趙子龍が勝てば、常山から立ち去ると約束します。趙子龍は挑戦を受けることを決意します。

つづく