あらすじ

千年の修行を積む龍王・尉遅龍炎(りゅうえん)は、最後の天劫を乗り越えるために天魔双煞(そうさつ)から「上古の金甲」を奪還しようとするが、罠に陥り傷を負う。一方、凡人の少女・流蛍(りゅうけい)とその主である夏侯雪(かこう・せつ)は、偶然出会った小さな白蛇を助け、自宅に連れ帰る。実はその白蛇こそが龍炎の化身だった。人間と龍の運命的な出会いが、ここから始まる——!

ネタバレ

古代のとある森の中、華やかな衣装をまとった夏侯雪(かこう・せつ)とその侍女・流蛍(りゅうけい)が馬車に揺られながら「簪花宴(さんかえん)」へ向かうところから物語は始まります。流蛍(りゅうけい)は馬車の中で“千年に一度、龍と人間が恋に落ちる”という話本を読んでおり、ロマンチックな空想に夢中。一方の夏侯雪(かこう・せつ)は「龍なんているわけない」と一蹴しますが、流蛍は信じて疑いません。そんな雑談の最中、馬車が流民に襲われ、夏侯雪が慌てて足をくじいてしまいます。しかし、賢い流蛍が応急処置を施し、二人は無事に宴へ向かう準備を整えます。

その後、流蛍がふと空を見上げると、そこには雲間を舞う白龍の姿が!驚く流蛍に対し、夏侯雪は「目の錯覚だ」と笑い飛ばしますが、この瞬間が運命の始まりでした。

一方、画面が切り替わり、龍隠池(りゅういんち)という神秘的な場所では、銀髪の美しい男性・尉遅龍炎(りゅうえん)が現れます。彼こそが千年の修行を積んできた龍王。しかし、彼は第二の天雷を辛うじて乗り越えたものの、心脈に深刻なダメージを負ってしまい、数日後に控える「最後の天劫」を迎える準備が整っていません。そんな中、彼を補佐する命格星君(めいかくせいくん) が現れ、「天界で盗まれた上古の金甲(きんこう)」を取り戻せば天劫を乗り切れると助言します。しかし、その金甲は天魔双煞(そうさつ)という魔物の手に渡っており、奪還は容易ではありません。

龍炎は傷ついた体を押して天魔双煞の洞窟に乗り込みますが、そこには罠が張り巡らされており、彼は窮地に追い込まれます。

同じ頃、夏侯雪と流蛍は外出中に小さな白蛇に遭遇。この白蛇こそが傷ついた龍炎の化身でした。蛇嫌いの夏侯雪は怯えながらも「放っておけない」と言い、流蛍に白蛇を助けさせます。二人は白蛇を家に連れ帰り、流蛍はその世話をすることに。小さな白蛇の姿になった龍炎は、初めて人間に助けられるという経験をし、驚きと戸惑いを隠せません。

流蛍が細やかに看病をしてくれる中、龍炎は徐々に彼女に心を開いていきます。彼女は白蛇に鹌鹑(うずら)の卵を与えますが、龍である龍炎は冷たい食べ物を嫌い、温かいお菓子や糕点(カステラのようなもの)を好むというギャップも発覚。流蛍は「なんだか普通の蛇とは違う」と疑問を抱きつつも、白蛇を大切にする優しい姿勢を崩しません。

夜になると、龍炎は人の姿に戻り、流蛍の部屋で眠りにつきます。無邪気な流蛍が寝相で抱きついてくるたびに、龍炎は戸惑いながらもどこか穏やかさを感じ始めます。次第に彼の中で、人間との触れ合いがもたらす特別な感情の芽生えが描かれていきます。

つづく