あらすじ

阿瑜(あゆ)は宮廷での新たな生活を始めるが、心は龍炎(りゅうえん)への想いで満たされている。城壁での花火の夜、想いを伝えるも龍炎に拒絶される阿瑜。歳月が過ぎる中、二人は壁を隔てて互いを想い続けるが、届かない愛に苦しみ続ける。阿瑜の切ない誕生日の夜が、視聴者の心を静かに揺さぶるエピソードとなった。

ネタバレ

『龍王の恋 永遠(とわ)なる誓い』第17話は、視聴者の心を揺さぶる切ない展開が続きます。阿瑜(あゆ)と龍炎(りゅうえん)の交わらない運命がさらに浮き彫りにされ、愛と別離の物語が深みを増していきます。

沈大人(しんたいじん)の指示により、阿瑜は宮中での礼儀を学ぶことになります。しかし、幼い頃から宮外で育った彼女にとって、宮廷の厳しい作法は簡単ではありません。そんな中でも阿瑜の心は龍炎に向かい続けています。彼女は龍炎を呼び寄せようと萤火虫(ほたる)を放ち、切なる思いを伝えたいと願っています。

龍炎は阿瑜の前に姿を現しますが、彼女には一歩たりとも近づこうとしません。阿瑜は龍炎に城壁で咲く花火を一緒に見たいと頼みます。龍炎の背中に乗って城壁へ向かう阿瑜。夜空を彩る花火を見つめる中で、彼女は勇気を振り絞り龍炎への想いを告白。しかし、龍炎は冷たい言葉で阿瑜を突き放します。「君に似ているから流蛍(りゅうけい)を思い出しただけだ」――その言葉は阿瑜を深く傷つけるのでした。

阿瑜はさらに龍炎に願いを言います。「せめて毎年の誕生日にだけでも会いに来てほしい」。しかし、龍炎は明確な答えを避け、「時間があるときに顔を見に行く」と言うだけ。阿瑜は失望しながらも、龍炎への想いを胸に秘めるのでした。

宮中では阿瑜が神女として正式に迎え入れられます。彼女は赤い正装を身にまとい、側には青青(せいせい) が付き添っています。一方で龍炎は遠く離れた龍隠天池で阿瑜のことを思いながらも、彼女を止める術を持たず、ただ彼女の平安を祈るしかありません。

青青(せいせい) は宮中での暮らしに満足しているように見えますが、実際には自由を失った金絲雀のようだと感じています。そんな青青の前に雪阡尋(せつせんじん)が現れます。彼のぎこちない「ウミガメの化粧」は青青を笑わせますが、会話の中で雪阡尋(せつせんじん)は自分の気持ちを大胆に告白。青青も心の奥で彼を意識していることに気付きます。偶然のハプニングで二人の距離がさらに縮まる場面は、視聴者に胸キュンを届けました。

阿瑜の誕生日、彼女は龍炎が来ることを期待し盛装して待ちます。しかし、日が沈んでも龍炎は姿を見せません。青青は龍炎が王殿に入れない理由を説明します――龍炎は天兵天将たちと激しく戦っているのです。その時、阿瑜の前に一匹の蝶が舞い降りてきます。阿瑜はすぐに龍炎の存在を察し、蝶を追って城壁へ向かいます。城壁を隔てて、阿瑜と龍炎は互いの気配を感じます。しかし、壁の向こう側にいる龍炎の姿を見ることは叶わず、阿瑜は孤独と切なさを感じるばかりです。

時は流れ、阿瑜は宮中で数十年を過ごします。天子の寵愛は移り変わり、彼女は日々空虚な後宮で過ごしながら、心の中で龍炎の帰りを待ち続けます。毎年の誕生日になると、阿瑜は城壁のそばで待つのが習慣となりました。しかし、龍炎はその壁を越えることができず、ただ阿瑜の姿を遠くから見守るだけ。互いに届かない愛を抱えたまま、阿瑜と龍炎はそれぞれの人生を静かに過ごしていきます。

つづく