あらすじ
尘月(ちりづき)は寒熙雲(かんきうん)との戦場での直接対決を制し、龍炎(りゅうえん)の助けもあって大勝利を収める。しかし、戦後も寒熙雲との因縁は深まり、龍炎は尘月を守るための術を封じられるという試練に直面する。愛と宿命が絡み合う中、三人の関係はさらに複雑さを増していく。果たして、龍炎の想いは尘月に届くのか。そして、寒熙雲の復讐はどのような形で進むのか――。
ネタバレ
戦場に響く剣戟の音と、交錯する運命の糸が動き出す第19話。物語は、夢の中で尘月(ちりづき)が龍炎(りゅうえん)のぼんやりとした姿を目にするところから始まります。目覚めた彼女を待ち受けていたのは、東羅太子・寒熙雲(かんきうん)が軍を率いて攻め込んできたという報せ。尘月はすぐさま軍をまとめ、直接敵陣を襲う作戦を立てます。一方の寒熙雲も、尘月の行動を察知し、逆に彼女の首を狙う計画を練っていました。
戦場で激突する両軍。尘月は寒熙雲と一騎打ちを繰り広げます。剣と剣がぶつかり合い、火花が散る中、尘月が危機に陥ったその瞬間、なんと龍炎が平凡な小兵の姿で現れ、彼女を救出します。龍炎の鮮やかな身のこなしに尘月は驚きますが、彼女も負けじと奮闘。二人の連携で戦局は一気に傾き、尘月軍は見事勝利を収めます。
しかし、寒熙雲にはまだ策がありました。彼の指揮により放たれた矢が尘月に迫りますが、龍炎が密かに張った防護壁のおかげで彼女は無傷。尘月は、夢で見た龍炎が自分を守ってくれているのだと確信し、彼に再び会えることを心のどこかで期待します。一方、龍炎は天界の規則を破り戦場に介入した罰として雷刑を受けます。それでも彼は尘月のためならどんな苦しみも厭わない様子。しかし、命格星君(めいかくせいくん) から与えられた回復薬の副作用で、今後49日間は尘月を守るための術を使えなくなってしまいます。
そんな中、尘月はさらなる反撃を決行し、ついに寒熙雲を捕らえます。彼を殺すこともできた尘月ですが、彼女は和睦の道を選びます。しかし、寒熙雲は尘月の慈悲を裏切り、不意打ちで暗器を放ちます。尘月は素早く回避し、その暗器が彼自身の片目を奪う結果に。怒りに燃える寒熙雲は尘月を抹殺するよう命じますが、龍炎は再び彼女を守るため矢を受け、命をかけて尘月を救います。
目を覚ました龍炎は、尘月と陸征(りくせい)が自分の前で話しているのを耳にします。尘月が陸征を「征哥哥(せいおにいさん)」と呼ぶのを聞いて、龍炎は心の中で嫉妬心を抱えつつも何も言えません。
一方、寒熙雲は失った片目に絶望し、怒り狂いますが、国師(こくし)が東羅王の命令を伝えに訪れます。兵士たちの士気が下がり、物資も不足しているため、寒熙雲は撤退を余儀なくされます。彼の中に残るのは、尘月への憎しみと敗北の悔しさだけでした。
つづく