あらすじ

尘月(ちりづき)が崖から落ちたことで始まる波乱の展開。龍炎(りゅうえん)は彼女を命がけで救い出し、崖底で二人の絆が深まる。一方で、陸征(りくせい)たちは尘月の不在を隠しつつ南昭軍との最終決戦に挑む。法力を失った龍炎と尘月は困難を乗り越え、崖を脱出し仲間たちの元へ戻る。宴の中で酔った尘月が夢見る「玉池(ぎょくち)哥哥」の正体とは?運命が交差する中、龍王としての真実が明らかになる日が近づいている──。

ネタバレ

崖下で始まった新たな試練と運命の絆が動き出す今話。尘月(ちりづき)が山崖から落ちたという知らせに、陸征(りくせい)は心底から焦りを隠せない。一方で青青(せいせい) は、龍炎(りゅうえん)も一緒に落ちたことを聞き、彼が尘月を守ってくれると信じて安心する。

崖底で龍炎は尘月を救い出し、彼女を山洞に運び込む。そして、昏睡状態の尘月を治療するため、自らの法術を使って彼女の傷を癒すが、龍炎自身も力を使い果たし洞外で療養することに。目覚めた尘月は、自分の傷が癒えていることに驚き、龍炎が持ってきた果実を笑みを浮かべながら食べる。その短い平穏の中で、龍炎は尘月に対し、自分が崖に落ちたのは彼女を救うためだったと告げるが、彼女を表妹(いとこ)と誤解したと説明する。尘月は夢の中でいつも守護してくれる兄の姿を思い出し、龍炎との関係に複雑な思いを抱く。

一方、命格星君(めいかくせいくん) が龍炎に人間界から戻らない理由を問いかける。雪阡尋(せつせんじん)(せっせんじん)は、龍炎が流蛍(りゅうけい)を見守るために人間界を離れられないのだと答えるが、命格星君(めいかくせいくん) は仙妖の関係が永遠には続かないことを示唆する。青青(せいせい) が仙人としての修行を怠け続ける限り、彼女には限られた寿命しかないと警告される。それを聞いた雪阡尋(せつせんじん)は、青青が仙人になる時には彼女を守り抜く決意をし、流星痕(りゅうせいこん)の苦難も気にしないと告げる。

尘月と龍炎は崖底で出口を探すが、龍炎の法術は未だ回復せず、彼は彼女を守るための責務を抱えながらも、自分が尘月の夢に出てくる龍王であることを認められずにいる。一方で、陸征たちは尘月の失踪を隠すため、青青を尘月に見立てて南昭軍との戦闘を急ぐ。戦況は混乱を極める中、皇帝の密使である郭大人(かくだいじん)が現れ、尘月の逃亡を糾弾するが、青青の機転によって郭大人を昏倒させる。忘憂散(ぼうゆうさん)という薬を使い密使の記憶を消す策を講じ、戦局を乗り切ろうとする。

その頃、龍炎は法力の回復を迎え、尘月と共に崖を登る作戦を決行。しかし途中で尘月の藤が切れ、龍炎が彼女を救い出す。この危機的状況で尘月は、龍炎こそ自分が夢で見た龍王だと確信する。二人は無事に崖を脱出し、封家軍の元へ戻る。南昭軍の降伏も重なり、軍の士気は高揚。尘月は兄弟たちを労うための祝宴を開き、宴の中で酒に酔い、龍炎を探し求める姿が切なく描かれる。龍炎は尘月をそっと抱きかかえ、彼女を寝室に運ぶ。眠りの中で尘月は「玉池(ぎょくち)哥哥(ぎょくちおにいさん)」と呟きながら、龍炎の手を握りしめる──二人の絆は、さらに深まる予感を残して終わる。

つづく