あらすじ
龍炎(りゅうえん)は、流蛍(りゅうけい)を守るために彼女との記憶を消し、許致遠(きょちえん)との結婚を進めるという苦渋の選択をします。一方、記憶を失った流蛍は、自分の中に残る得体の知れない喪失感に戸惑いながらも、新たな人生を歩み始めます。龍炎の犠牲と流蛍の違和感が交錯する中、二人の運命はどこへ向かうのでしょうか…。
ネタバレ
第8話は、愛する人のためにすべてを犠牲にする龍炎(りゅうえん)の切ない決断が描かれる回です。過去の因縁と現在の運命が交錯し、視聴者の心を揺さぶるシーンが満載でした。
雪阡尋(せつせんじん)の過去と紫陽の驚き
物語は紫陽(しよう)が羅酆阁(らほうかく)を訪れるところから始まります。雪阡尋(せつせんじん)(せっせんじん)は紫髓阳炎(しずいようえん)が龍炎によって滅ぼされたことを打ち明け、さらに自分の過去について尋ねます。彼が覚えているのは、かつて天孤星(てんこせい)として罰を受け、自らの肋骨から浮生琵琶(ふせいびわ)を作り、羅酆阁を3000年間守ってきたことだけ。
しかしこの記憶は断片的で、紫陽は「雪阡尋(せつせんじん)が八泪饮(はちるいいん)を飲んだのではないか」と推測します。過去を知りたければ命格星君(めいかくせいくん) を訪ねるよう助言しますが、それ以上の真相はまだ闇の中です。
龍炎の決断:流蛍(りゅうけい)の未来を守るために
一方、流蛍(りゅうけい)は夏侯雪(かこう・せつ)から許致遠(きょちえん)との結婚を勧められるも、頑なに拒否します。そんな中、龍炎が現れ、「許致遠との結婚こそが夏侯家の運命を救う唯一の道だ」と冷たく告げます。さらに、侍女として青青(せいせい) を流蛍の側近に仕立てます。
しかし、流蛍の悲しむ姿を見た龍炎もまた心を痛めていました。それでも彼は知っていたのです。流蛍が安全に生涯を送るためには、彼女の記憶から自分を消し去るしかないことを。
記憶を消された流蛍と龍炎の孤独
龍炎は泣く泣く流蛍との思い出を消し去ります。目覚めた流蛍には、龍炎の記憶は一切なく、ただ彼に対して「なぜか懐かしい」という漠然とした感情だけが残っていました。
結婚式当日、流蛍が輿に乗る姿を見守る龍炎。彼の元神(げんしん)はずっと彼女のそばに寄り添い、空には彼女のための真っ赤な花びらを散らします。しかし、彼の心は千年の修行を超える痛みに苛まれていました。
流蛍が門をくぐろうとした瞬間、彼女は星旋韵(せいせんいん)を目にし、龍炎との約束を思い出します。涙が頬を伝うその姿に、龍炎は再び時間を止め、彼女の記憶を完全に消去。静かに流蛍の涙を拭い、彼女に口づけを残すと、自らの涙をこぼしました。
龍炎の絶望と流蛍の違和感
流蛍が結婚した後、龍炎は彼女の部屋を訪れ、二人の思い出に浸ります。そこに現れた青青(せいせい) に、流蛍が持っていた絵(かつて龍炎が贈った定情の品)について尋ねますが、青青は「流蛍が捨てたのかもしれない」と軽く答えます。その言葉に龍炎は絶望し、自らの胸が針で刺されるような痛みを感じます。
一方、記憶を消された流蛍は許致遠との結婚生活を送りながらも、自分の中にある微かな違和感に悩み続けます。彼女には、自分が何か大切なものを失ったような気がしてならなかったのです。
つづく