第9話は、夢と現実が交錯し、愛と運命に翻弄される登場人物たちの物語が描かれます。流蛍(りゅうけい)と龍炎(りゅうえん)の純粋な愛がさらに深まり、雪阡尋(せつせんじん)(せっせんじん)の感情や葛藤も浮き彫りになります。今回も切なさと緊張感が満載の展開です!
雪阡尋(せつせんじん)の過去、謎の消失
雪阡尋(せつせんじん)が自らの過去を探るために訪れたのは、情報がすべて記録されているという「藏书阁(ぞうしょかく)」。しかし、彼の過去についての詳細な記録はことごとく消されており、残されていたのは「擅离职守(職務を放棄した罪)」という罰を受けた結果のみ。命格星君(めいかくせいくん) もこの不可解な状況に首をかしげるばかりです。
流蛍(りゅうけい)の夢、そして龍炎との再会
一方、流蛍は夢の中で「落英谷(らくえいこく)」に迷い込みます。そこで、かつての龍炎の姿がぼんやりと現れ、懐かしさに胸を締めつけられる流蛍。しかし、夢から覚めてしまうと龍炎は消えてしまいます。この夢に不思議な感覚を抱いた流蛍は、幼い頃に埋めた「大切なもの」を探しに落英谷へ向かいますが、見つけることはできません。
夢の中で再び現れた龍炎は、「これは夢だ。夢が覚めればすべてが変わる」と告げます。それでも流蛍は、夢の中で感じる龍炎への親しみが現実の許致遠(きょちえん)とは違うと気づき、「この夢の中で永遠に生きたい」と願います。その想いを受けた龍炎は、千年の修行で得た霊力を犠牲にしてでも、流蛍の夢を守る決意を固めるのです。
許致遠の成功と夏侯府の悲劇
現実世界では、許致遠が状元(じょうげん、科挙での最高位)に選ばれ、許府は栄華を極めます。しかし、彼と流蛍の関係はあくまで形式的で、心の距離を埋めることはできません。
その頃、夏侯府が謀反の罪で抄家(家財没収)され、一家全員が危機に陥ります。ただ一人、夏侯雪(かこう・せつ)は龍炎によって救われますが、両親を救えなかったことで龍炎を激しく非難。しかし、龍炎は密かに許致遠に助けを求める手紙を託し、夏侯一家を救おうと尽力します。
流蛍の妊娠と命を狙う陰謀
流蛍が妊娠していることが発覚しますが、これを知った羅酆阁(らほうかく)は、彼女を亡き者にしようと企てます。流蛍が産気づいた際、羅酆阁の一味は赤ん坊の元神を奪い、流蛍を難産に追い込むのです。絶体絶命の状況で、龍炎は自分の内丹を犠牲にし、命を賭けて赤ん坊の元神を取り戻します。その行動は、雪阡尋(せつせんじん)にも大きな影響を与え、彼は「情愛とは一体何なのか」と深く考えさせられることに。
雪阡尋(せつせんじん)の嫉妬と龍炎の愛
流蛍が無事に出産を終えた後、龍炎は彼女の健康を気遣い、大量の補品や衣服を用意します。それを目にした雪阡尋(せつせんじん)は、龍炎と青青(せいせい) の関係を誤解し、嫉妬心を露わにします。彼は青青(せいせい) に対して「お前は羅酆阁の人間であり、龍炎のものではない」と言い放ちますが、その言葉の裏には、彼自身の揺れる感情が隠されているようです。
つづく