あらすじ

王朝の運命を背負った錦繍大会を舞台に、謝家の姉妹が家族の伝統と未来を守るために奮闘。また、偶然の出会いをきっかけに、洛(らく)王・欧陽子虞(おうようしぐ)との物語が動き出す。運命に導かれた二人の交錯が、これからどんな展開を生むのか…。第1話は、豪華絢爛な世界観とキャラクターたちの魅力が詰まった序章となっています!

ネタバレ

物語は、深夜の静寂を切り裂くように走る一台の馬車から始まります。馬車に乗っていたのは、雍容華麗な洛(らく)王・欧陽子虞(おうようしぐ)。しかし、突如として馬車が壊れ、襲撃者が現れます。侍従の小路(しょうろ)は欧陽子虞(おうようしぐ)に馬車を飛び降りるよう促しますが、その逃走劇の中、彼は万丈の崖から転落してしまいます。この出来事が後の運命を大きく動かす序章となります。

一方で、物語はその半月前の宮市(きゅうし)での光景に遡ります。賑やかな市場で、染織業を営む謝家の次女・謝小霓(しゃしょうげい)は、意気揚々と皇榜(こうぼう)を引き抜きます。この皇榜は「錦繍大会(きんしゅうたいかい)」という国家主催の競技会への参加を促すものでした。この行動に周囲は驚き、家族も彼女の無鉄砲さに呆れますが、謝小霓は「家業を守りたい!」という強い意志を持って突っ走ります。

謝小霓の父(しゃふ)は伝統を重んじ、娘たちが前に出ることを嫌います。そのため、長女の謝枫(謝楓(しゃふう))は男装し、家業を継ぐ"息子"として振舞ってきました。しかし、謝小霓は「姉がやれるなら私もやれるはず!」と反発し、ついには家族を巻き込みながら錦繍大会への準備が進んでいきます。

そんな中、洛(らく)王・欧陽子虞が大会の監督役に任命されますが、実権のない“閑散王”と侮られ、会場の裏では権力争いが渦巻いていました。一方、謝家では染布に問題が発生。しかし、謝小霓はひそかに街を出て「銀絲炭(ぎんしすみ)」を調達し、問題を解決。この行動力に父も少しずつ感心するようになります。

上元節の夜、謝小霓は男装して街へ繰り出し、偶然出会った商家の御曹司・蘇文宇(そぶんう)と灯謎(とうめい)で張り合います。さらに、悪党を懲らしめる場面では蘇文宇(そぶんう)に女性であることを見破られ、平手打ちを食らわせてその場を去るという、彼女らしい騒動を巻き起こします。

そんな中、欧陽子虞は暗殺計画によって崖から転落。彼の身を案じる者は少なく、事件は隠蔽されようとしていました。翌日、姉妹で狩りに出た謝小霓は、瀕死の状態で倒れている欧陽子虞を発見!彼女は「自分が殺してしまったのでは!?」と勘違いし、慌てふためきます。本来なら通報すべき状況でしたが、彼の命を救いたい一心で、自宅に連れ帰ることを決意します。

こうして、謝家の姉妹と洛(らく)王の運命が交錯し、大きな物語が動き出します…。

つづく