あらすじ

嵐の夜、花芷(かし)は船の危機を救い、早くもその勇敢さを見せる。一方、宮廷内外では婚約問題、権力争い、七宿司(しちしゅくし)の陰謀が絡み合い、花家に迫る危機が浮き彫りに。最後に下された皇帝の厳命が、花芷と家族の運命を大きく揺さぶることに…。

ネタバレ

『惜花芷(かし)~星が照らす道~』の第1話は、激しい嵐の夜から幕を開ける壮大な物語。華やかな宮廷ドラマと、強い意志を持つヒロイン・花芷の波乱に満ちた人生が交錯する、目が離せないスタートです。

嵐の夜、命を賭けた花芷の勇気

物語は、嵐の中、御史の花家が船上で危機に瀕している場面から始まります。激しい暴風雨が吹き荒れる中、船が転覆の危機にさらされ、小間使いたちは賃金の問題で作業を拒否。状況は絶望的に見えました。しかし、若き花芷が手にした短剣で帆を切り落とし、船と乗員たちを救うという勇敢な行動を見せます。この初登場シーンで、彼女の芯の強さと機転の良さが存分に描かれました。

花芷の婚約と自由への葛藤

翌日、花家では花芷の婚約が話題に。沈家から正式な結納が届くとのことですが、当の本人である花芷はどこ吹く風。彼女は侍女の抱夏(ほうか)に「たとえ結婚しても自分らしさを貫く」と語ります。宮廷の厳しい規律や、囲まれた屋敷の壁に自分を閉じ込められているように感じる彼女。そんな中、もう一人の侍女・迎春(げいしゅん)が現れ、宮廷から桃符が届くという知らせを持ってきます。花芷は興奮し、侍女たちを連れて屋敷を抜け出すことに。

街での騒動と新たな出会い

街では、七宿衛のリーダー・陳情(ちんせい)が隊を率いて何やら捜査を進めています。彼らは花芷の描いた図面を見つけ、その馬車を追跡。花芷が闇の中を自由に動き回ることに眉をひそめる陳情でしたが、彼女の身分を知ると態度を一変させます。この場面で登場するのが、北地から来た謎の青年・顧晏惜(こあんせき)。彼の冷静な判断と果敢な行動が、花芷を窮地から救います。二人の間に流れる微妙な空気が、これからの展開への期待を高めます。

宮廷の緊迫した政治劇

その夜、花芷の祖父・花屹正(かきつせい)は、皇帝・顧成燾(こせいとう)に召されます。宮廷では、皇位継承問題や七宿司の私的な暗躍が取りざたされており、花屹正は厳しい意見を述べます。しかし、皇帝はその発言に激怒し、花家一族を官職から追放、北地への流刑を命じるという厳しい処分を下します。また、七宿司の史官・齊如海(チー・ルーハイ)が顧晏惜を陰謀の主犯に仕立て上げ、物語は大きな波乱を予感させながら幕を閉じます。

つづく