あらすじ
1953年の初冬、台湾の眷村(けんそん)で、のちにアジアの歌姫となるテレサ・テン(鄧麗君(ドン・リージュン)、演:ミシェル・チェン)は、鄧家の4番目の子「丫頭(ヤートウ)」として生を受けました。
幼い頃から歌の才能を発揮していたテレサでしたが、元軍人で、退役後は市場で饅頭などを売って生計を立てる父(演:ホウ・ヨン)は、娘が歌手になることに強く反対していました。テレサは、父が抱える心の内の苦悩や望郷の念を完全には理解できずにいましたが、市場で父の商いを手伝う健気な少女でした。
小学校を卒業したテレサは、経済的な理由などから中学校へは進学できませんでした。しかし、ラジオ局主催の歌唱コンテストで優勝したことをきっかけに、歌番組へのレギュラー出演が決まります。
そんな中、父が市場で地元のゴロツキとトラブルになり、暴行を受けて怪我をし、訴訟問題にまで発展してしまいます。「自分たちに固定の店舗がないからこんなことになるんだ」と嘆く両親の言葉を聞いたテレサは、家族を助けたい一心で、芸能界と歌手契約を結びます。
そして、契約の前払い金で父のために念願の店を用意すると、父はその思いやりに深く感動するのでした。
家族の支えと自身の強い意志、そして天賦の才能によって、テレサはついにプロの歌手としてステージに立ち、多くの人々から喝采を浴びる第一歩を踏み出すのでした。
各話あらすじとネタバレ
1話
1995年、母・趙素桂(ジャオ・スーグイ)の70歳の誕生日を電話で祝うテレサ・テン。その直後、タイで喘息発作により急逝してしまう。突然の悲報に打ちひしがれる家族。母は霊安室でテレサに感謝の言葉を伝える。物語は過去に遡り、テレサの誕生秘話や、歌の才能の片鱗を見せる子供時代のエピソードが描かれる。麻雀騒動では、機転を利かせて場を収め、その歌声で人々の心を動かす幼いテレサの姿があった。
2話
軍の住宅(眷舎)の引っ越しを巡り、隣人の段立天(ドァン・リーティエン)は鄧枢(ドン・シュー)一家のために口利きをしようとするが、妻の周敏(ジョウ・ミン)は反対する。周敏は司令官夫人に取り入ることで夫の出世を目論んでいたが、司令官の名前を使いすぎていると釘を刺される。一方、鄧枢の妻・趙素桂(ジャオ・スーグイ)は、広い家に引っ越したい一心で、夫に内緒で段立天に賄賂のお茶を渡すが、鄧枢がそもそも引っ越しの申請を出していなかったことが発覚。さらに、娘の鄧麗筠(ドン・リージュン)がお茶を半分抜き取っていたことが分かり、趙素桂は段家で恥をかく。これが原因で鄧枢と趙素桂は大喧嘩になり、趙素桂は家を出ようとする。追いかけた鄧枢は、妻が娘のために部屋を欲しがっていたことを知り、自身の過ちを悟る。そして、長年の望郷の念から軍を辞めることを考えるが、趙素桂は生活を心配し、それに反対する。鄧枢は故郷への想いと台湾での家族・仕事との間で深く葛藤する。
3話
友達との秘密を守り、母からラジオを贈られたヤートウは、歌への興味を深める。結婚式で飛び入りで歌い、マイクの仕組みや歌が仕事になることを知る。台風「グロリア」が村を襲い、デン家は隣人のドゥアン母娘を助けるが、チェン夫人は息子を失い、ドゥアン夫妻は喧嘩別れしてしまう。移転が決まるも拒否するチェン夫人を、ヤートウは不思議な言葉で説得。一家は安邦新村へ引っ越し新年を迎える。ヤートウは悲しむチェン夫人を慰め、歌への情熱を募らせるが学業は低迷。母は条件付きで歌うことを許可する。一方、父デン・シュウは退役を考えていた。
キャスト、登場人物

鄧麗君(ドン・リージュン)
陳妍希(ミシェル・チェン)

汪仲文(ワン・ジョンウェン)
何潤東(ピーター・ホー)

趙素桂(ジャオ・スーグイ)
江珊(ジアン・シャン)

周台生(ジョウ・タイシェン)
彭冠英(ポン・グアンイン)