風と雲と雨 第16話 あらすじ/ネタバレ

夜明け前の静寂に、永遠の誓い

月明かりが静かに降り注ぐ中、イ・ボンリョンとチェ・チョンジュンは静かな木の下で永遠の愛を誓います。玉指環がイ・ボンリョンの指にそっとはめられ、二人は永遠に離れられない伴侶となりました。突然の幸せに喜びを噛みしめるイ・ボンリョンでしたが、同時に不安もよぎります。古い予言が現実になること、チェ・チョンジュンとの深い愛情がやがて消えてしまうことを恐れていたのです。チェ・チョンジュンはイ・ボンリョンの不安を感じ取り、優しく抱きしめ、どんな嵐が来ても決して離れないと約束します。

キム・ジャグンの寿宴で起こった謎の事件

一方、キム・ジャグンの寿宴では、かつて目立たなかったイ・ハウンが上賓として迎えられ、今や別人のような存在感を見せています。キム・ビョンハクは媚びへつらいながらテーブルに並ぶ珍味を紹介しますが、イ・ハウンは一口食べただけで気分が悪くなり、全身が痙攣し、口から食べ物を吐き出します。騒然とする一同。侍従は毒殺だと叫び、宴会場は混乱に陥ります。キム・ジャグンは騒ぎを鎮め、潔白を証明するために自ら毒見をし、食べ残しを飲み込みます。イ・ハウンは立ち上がり、キム・ジャグンはもし本当に毒があれば自分も助からないと主張し、病気を理由に辞任する意思を伝えます。

朝鮮の巨商・徳胤の恩返し

同じ頃、朝鮮の商界の巨頭であるイ・ドクユンがチェ・チョンジュンを訪れます。占いを求めるのではなく、感謝の意を表しに来たのです。実は、彼の息子が重病を患っていたのですが、チェ・チョンジュンのおかげで命を救われたのです。イ・ドクユンはチェ・チョンジュンの恩を深く心に刻みます。

イ・ハウンの書院廃止計画

イ・ハウンの次の標的は書院です。廃止を目論む彼の計画に、儒林は猛仮発します。大殿では、趙大妃も仮対を表明しますが、イ・ハウンの態度は強硬です。群臣や皇室と正面から対立し、趙大妃の意見を無視して書院廃止を強行しようとします。

書院領袖の屈辱

儒林のリーダーであるチャンウィは怒りを抑えきれず、イ・ハウンに跪いて謝罪し、決定を撤回することを要求します。しかし、イ・ハウンは一歩も譲りません。書院が財政を濫用し、民衆を搾取していることを鋭く指摘し、チャンウィは言葉を失います。最終的に、イ・ハウンは剣を突きつけ、チャンウィは恐怖に怯えながら謝罪します。

キム・ビョンウンの屈辱と降職

キム・ビョンウンは自らの保身のため、イ・ハウンに重礼を贈って謁見を求めますが、冷たくあしらわれ、屈辱を受けます。不本意ながらも耐え忍ぶしかないキム・ビョンウンは、一夜待った後、十万両の黄金を差し出し、降職を申し出て、張家の安全を確保しようとします。

チェ・チョンジュンへの猜疑心と西洋の秘密

イ・ハウンはチェ・チョンジュンへの猜疑心を強めていきます。特に、イ・ドクユンがチェ・チョンジュンと交流していることを知ると、怒りを爆発させます。密かに三全道場を訪れたイ・ハウンは、西洋の宣教師と火縄銃製造の秘密を偶然発見します。

イ・ハウンの罠とイ・ボンリョンの予感

イ・ハウンはチェ・チョンジュンを宴席に招待しますが、実は殺意を秘めています。イ・ボンリョンは不安を感じ、チェ・チョンジュンに万一のことがあればイ・ドクユンの貿易館に助けを求めるように伝えます。宴席の後、チェ・チョンジュンは帰路で襲撃を受けますが、武術の腕前で辛くも逃げ延びます。三全道場にいるイ・ボンリョンは、大惨事を予感し、人々を避難させようとしますが、チェ・インギュの追跡と火攻を完全に避けることはできず、多くの人が負傷します。

チェ・チョンジュンの脱出とイ・ボンリョンの危機

傷が癒えたチェ・チョンジュンは三全道場が焼け落ちているのを見て、急いで貿易館に向かいます。しかし、イ・ボンリョンはすでにイ・ハウンの手下に連れ去られており、危険な状況に陥っています。イ・ドクユンはチェ・チョンジュンの安全を守るため、無理やり船に乗せて逃がそうとします。チェ・チョンジュンはイ・ボンリョンを心配しますが、自分の責任の重さを理解し、最終的に受け入れます。しかし、出発直前、イ・ドクユンは計画を確実に成功させるため、チェ・チョンジュンを気絶させて竹筏に乗せ、大海原へと送り出してしまいます。

波乱の幕開け

月明かりに照らされた波乱の海を、竹筏に乗ったチェ・チョンジュンはゆっくりと進んでいきます。心の中には、イ・ボンリョンへの愛と未知の運命への不安が渦巻いています。しかし、これはさらなる嵐の始まりに過ぎないのかもしれません。

第16話感想

第16話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。イ・ボンリョンとチェ・チョンジュンの永遠の愛を誓うシーンは美しく、二人の絆の強さを感じさせましたが、同時に不安も漂っていました。イ・ハウンの猜疑心と野望が露わになり、チェ・チョンジュンや書院、そして朝鮮全体を巻き込んだ大きな嵐が近づいていることを予感させます。

特に印象的だったのは、イ・ハウンの冷酷さと強引さです。彼は自分の目的のためなら手段を選ばず、権力を使って週囲の人々を翻弄します。また、チェ・チョンジュンへの猜疑心はどんどん強まり、ついに殺意にまで発展します。イ・ハウンの行動は、彼の野心と冷酷さを浮き彫りにし、今後の展開がますます気になります。

一方、チェ・チョンジュンはイ・ハウンの陰謀に巻き込まれながらも、自分の信念を貫こうとする姿が描かれました。彼はイ・ボンリョンへの愛と朝鮮への忠誠心を持ち続け、困難に立ち向かっていきます。チェ・チョンジュンの勇気と決意は、視聴者に希望を与えてくれるでしょう。

つづく