麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~ 第13話 あらすじ/ネタバレ

混乱の中で王を刺したウヒ

混乱の中、ウヒの剣がワン・ウクの脇腹を掠めた。倒れ込む王の姿は、静かな湖に投げ込まれた巨石のように、週囲の視線を一斉に集めた。ウヒの闇殺行為は、誰にも気づかれなかった。

傷を堪えたワン・ウクは、ウヒに逃げるよう促す。任務の失敗を悟ったウヒは、静かに身を翻し、混乱の中に消えていった。

王の決意と託された未来

目を覚ました王は、冷たくなった寝台に横たわっていた。眼差しには、幾分かの思慮深さと悟りが宿っていた。かつての覇気と自信は風に消え、過去の決断に対する深い仮省がその表情に刻まれていた。特に、ワン・ムをワン・ムとしてふさわしい人物であるのかという疑問が浮かび上がっていた。

大将軍パク・スウギョンと司天供奉チェ・ジモンは、王の心中を察し、ワン・ムの即位を全力で補佐すると静かに応えた。しかし、王の託した思いは武だけに留まらなかった。第4皇子ワン・ソへの思いも口にすると、王は心身ともに疲弊し、言葉を発するのも困難になっていた。

先手を打つワン・ヨとユ氏の企み

翌朝、夜明けとともにワン・ヨ、ワン・ウク、ワン・ウォンの三人は天徳殿の外で待っていた。彼らは夜通し松岳を封鎖する計画を立て、王が崩御した際に遺詔を奪い、先手を打とうとしていた。しかし、大将軍パク・スウギョンは彼らの企みを事前に察知し、重兵を率いて天徳殿を守り、権力を奪おうとする動きを厳しく警戒していた。ワン・ヨたちは仕方なく、引き下がるしかなかった。

諦めきれないワン・ヨは、さらなる策略を練る。皇后ユ氏はファンボ氏を伴い、病状を伺う名目で天徳殿に強引に侵入しようとする。真の目的は、王がすでに亡くなったのかを確認することだった。チェ・ジモンは寝殿を固く守り、侵入を拒否する。ユ氏はこれが時間稼ぎであることを理解し、遠徴中のワン・ムの帰還を待っているのだと悟る。

王の病状悪化と解樹(ヘ・ス)の密命

王の病状は悪化し、食事も摂れなくなっていた。解樹(ヘ・ス)は急遽茶美院に呼び戻され、王のために香茶を淹れることになった。茶の香りは、まるで呉尚宮の優しさを呼び起こすかのようで、王の精神は少しだけ回復した。

自分の余命が長くないことを悟った王は、解樹(ヘ・ス)に密かに宮殿を出てワン・ムを探すよう命じ、ワン・ムの行方を悟られないようにするための詳細な指示を与えた。

王の託された思いを胸に、解樹(ヘ・ス)は急いで天徳殿を後にしようとするが、宮門を出る前にワン・ウクに呼び止められてしまう。ワン・ウクの追及に対して、解樹(ヘ・ス)は王が茶を飲みたいと言ったと巧みにかわす。しかし、鋭いワン・ウクは解樹(ヘ・ス)の表情から異変を感じ取り、重大な使命を帯びていると確信する。

ワン・ソの決意とヨナ皇女の誘惑

一方、ワン・ソもワン・ムを探すことの重要性を認識していたが、ヨナ皇女たちの妨害に遭ってしまう。ヨナ皇女はワン・ソへの未練を断ち切れずにいるが、家族の利益を優先し、ワン・ソを脅迫しようとする。ワン・ソは自分の信念を貫き、ヨナ皇女の誘惑を拒否し、二人は不和のまま別れる。

宮殿内では、王の容体が悪化し、チェ・ジモンは皇后とファンボ氏が邪魔にならないことを確認してから、ようやく天徳殿への立ち入りを許可する。しかし、王はすでに視力を失っており、心には呉尚宮の姿だけが浮かんでいた。そして、過ぎ去った日々の愛著と後悔を抱きながら、静かに目を閉じた。皇后ユ氏は、この瞬間になって初めて本音を表し、涙を流した。

解樹(ヘ・ス)の決断と隠された道

宮殿の外では、ワン・ヨは王の容体が悪いことに気づき、解樹(ヘ・ス)が真相をワン・ムに漏らすのを防ぐために、彼女の行方を捜索するよう命じる。解樹(ヘ・ス)は宮殿内を逃げ回り、偶然ワン・ソと遭遇する。二人は今後の対応について相談し、ウヒの後百済の身分を利用して、後百済への秘密の道を捜すことに決める。

解樹(ヘ・ス)とワン・ソは教坊に向かい、ワン・ウクがウヒを引き留めようとしている場面に遭遇する。話し合いの末、ウヒは解樹(ヘ・ス)とワン・ソの誠意に打たれ、彼らを秘密の道を通り後百済に連れて行くことに同意する。ワン・ウクも個人的な感情を捨て、ワン・ムを探す一行に加わることを決意する。

夜、ワン・ウクは書斎で策略を練り、解樹(ヘ・ス)の裏切りを心配する。一方、解樹(ヘ・ス)はワン・ウクの身を案じ、迫り来る宮廷の嵐に巻き込まれるのではないかと不安に駆られる。

夜が深まり、解樹(ヘ・ス)、ワン・ソ、ワン・ウク、ウヒの一行は、後百済への隠された道を歩み始める。王宮の中では、高麗の命運を左右する権力闘争が静かに始まろうとしていた。

第13話感想

第13話は、緊張感とドラマチックな展開が続く、非常に重要なエピソードでした。王の突然の死、各勢力の思惑が交錯する宮廷内の駆け引き、そして解樹(ヘ・ス)たちの後百済への旅立ちなど、見どころ満載の内容でした。

特に印象的だったのは、王の最期と解樹(ヘ・ス)の決意のシーンです。王は、自分の過ちを深く仮省し、未来を託す人物に苦悩しながらも、最期は穏やかな表情で息を引き取りました。解樹(ヘ・ス)は、王の密命を受けて後百済へと向かう決意をし、その決意の固さが伝わってきました。

また、各キャラクターの心情の変化も興味深いものでした。ワン・ウクは、ウヒへの想いと王への忠義の間で葛藤しながらも、最終的には後百済への旅に同行することを決意します。ワン・ソは、ヨナ皇女の誘惑を断ち切って自分の信念を貫き、解樹(ヘ・ス)たちと行動を共にすることを選びます。

つづく