チュ・ダンテは埠頭に逃走、シム・スリョンとローガン・リーは彼が船に乗るのを見届け、その場を離れる。船員に薬を盛られたチュ・ダンテは、その後、船に乗り込んできたチュ・ソッキョンに閉じ込められていることに気付く。看護師から「ペク・ジュンギ」と呼ばれ、驚きと怒りに震えるチュ・ダンテ。チュ・ソッキョンとの激しい口論の中で、ローガン・リーとシム・スリョンが生きているという衝撃の事実を知る。助けを求めて土下座するチュ・ダンテを無視し、チュ・ソッキョンは立ち去る。
一方、チン・プノンはローガンに帰国させないでほしいと懇願する。ローガンは彼女に精神科治療を受けさせ、ウンビョルに近づかないよう指示し、治療後に今後のことを決めると告げる。ウンビョルはチョン・ソジンのワインに記憶を消す薬を混ぜる。それを飲んだチョン・ソジンに、ウンビョルは涙をこらえながら、忘れられる方が母のためかもしれない、たとえ自分のことも忘れてしまっても、自分が責任を持って面倒を見ると誓う。
ト秘書はチョン・ソジンに、清雅建設の破産危機が噂されていると報告。チョン・ソジンは銀行とメディアへの対応を指示する。アレックスは清雅建設の買収を提案し、ト秘書はチョン・ソジンに相談。チョン・ソジンはアレックスと会い、清雅グループ会長就任式での契約締結に同意する。
チョン・ソジンはメディアを使ってペ・ロナを自主退学に追い込もうとし、ペ・ロナに留学を勧める。しかし、ペ・ロナはドライブレコーダーの映像を公開し、真実が明るみに出る。アレックスとの契約が白紙になったことを知ったチョン・ソジンは、解決策を探して外出したところ、カン・マリーに薬物を注射され、拉緻される。
目を覚ましたチョン・ソジンの前に現れたシム・スリョンは、ドライブレコーダー映像の後半部分を再生し、全ての責任はウンビョルが負うことになるだろうと告げる。激昂するチョン・ソジンに、シム・スリョンは再び薬物を注射し、声を奪う。同時に、ミンヒョクの母は公金横領の疑いで逮捕され、イ・ギュジンも不動産売却時に逮捕される。
チュ・ダンテは「ペク・ジュンギ」という身分を手に入れた経緯を思い出す。借金の返済を迫った末に、その名前の持ち主の父親を殺害したのだった。チュ・ダンテは錯乱状態に陥り、独房の扉を激しく叩き始める。
ハ・ユンチョルはウンビョルの検査に付き添うが、薬物は検出されず、健康状態に問題はなかった。ウンビョルは全てを覚えていると明かし、もう探さないでほしいとユンチョルに頼む。監禁場所から脱出したチョン・ソジンはウンビョルを探すが、清雅グループでローガン・リーと鉢合わせる。激しい言い争いの末、シム・スリョンとハ・ユンチョルが現れ、追い詰められたチョン・ソジンは逃走。ト秘書を探そうとするが、警察に連行される。
警察署で取り調べを受けている最中、チョン・ソジンは倒れ、病院に搬送される。そこでウンビョルと再会する。警察署では、イ・ギュジン夫妻が互いを非難し合い、ミンヒョクは恥辱を感じ、自立を決意する。チョン・ソジンは財産を売却し、最後の望みとしてウンビョルを海外に逃亡させようとする。
チュ・ソッキョンは自ら警察に出頭しようとするが、シム・スリョンとソクフンに阻止される。記憶を失ったチョン・ソジンはヘラパレスでウンビョルを探し、カン・マリーはハ・ユンチョルに連絡する。チョン・ソジンはペ・ロナをウンビョルと間違え、揉み合いになった末、3人は転落。落下してきた照明器具にチョン・ソジンが直撃され、ペ・ロナとハ・ユンチョルも重傷を負う。
第11話の感想
怒涛の展開で息つく暇もない第11話。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、衝撃的な出来事が次々と起こります。
まず、チュ・ダンテの末路はあまりにも哀れ。これまで数々の悪事を重ね、絶対的な権力者として君臨してきた彼が、全てを失い、精神的に追い詰められていく様は、ある種の爽快感すら覚えます。しかし、チュ・ソッキョンの冷酷な態度は、復讐の連鎖の恐ろしさを改めて感じさせます。
一方、記憶を消す薬を母に飲ませるウンビョルの行動は、複雑な感情を抱かせます。母への愛と憎しみ、そして自分自身を守るための苦渋の決断。彼女の涙に、胸が締め付けられました。
チョン・ソジンもまた、追い詰められていきます。メディア操作、買収計画、そして拉緻。彼女の傲慢さが招いた結果とはいえ、その転落劇はあまりにも急激で、見ている側も息を呑みます。シム・スリョンの復讐劇は、いよいよ佳境を迎えていると言えるでしょう。
つづく