失恋の痛手から立ち直れないチャ・ピルスンと、亡き息子を偲び悲しみに暮れる祖母。そんな沈んだ空気を破ったのは、オ・ミジュからの電話だった。ウン・ドンジュが事故に遭い、重体だという。知らせを受けたチャ・ピルスンは、いてもたってもいられず病院へと車を走らせた。一方、家では祖母とハン・ギヨンが二人の子供の面倒を見ており、ハン・ギヨンは警察に犯人の手がかりを尋ねていた。
シン・ランスクは家で、二人の娘が仲良く遊んでいた頃の幸せな記憶を思い出し、胸を痛めていた。娘のサビーナは、表面上は落ち著いているように見えたが、内心は激しく動揺し、夜ごと悪夢にうなされていた。母がウン・ドンジュに何か企んでいることを知っているサビーナは、その事実を心に秘め、何も言わずに耐えていた。
病院では、チャ・ピルスンとオ・ミジュがウン・ドンジュのベッドの傍で夜通し付き添い、ようやく彼女は目を覚ました。チャ・ピルスンは静かに病室を後にしようとしたが、看護師に呼び止められ、ウン・ドンジュに荷物を渡すように頼まれる。この偶然によって、チャ・ピルスンは再び病室に入り、目を覚ましたばかりのウン・ドンジュと顔を合わせた。二人はいつものように口論になってしまうが、その中でチャ・ピルスンはウン・ドンジュが持っていた写真に気づき、サビーナの正体がもう一人のウン・ドンジュであるという確信を深めた。
チン・ナミがウン・ドンジュを見舞おうとしていることを知ったサビーナは、自分が代わりに病院へ行くと言い出したが、その心には黒い計画が渦巻いていた。チャ・ピルスンはサビーナへの疑いを強め、二人の間の緊張感は高まるばかりだった。サビーナはチャ・ピルスンに、これ以上首を突っ込むなと警告した。
一方、ハン・スミはチン・ナミに一時的な介護人を手配し、チェ・ジュンギにはチン・ナミとチェ・デソンの離婚が三流雑誌に掲載される予定であることを密かに伝えた。チェ・ジュンギはなんとか両親の結婚生活を修復しようと奔走するが、チン・ナミは夫の裏切りに深く傷つき、彼の努力は実らなかった。
ついにサビーナはウン・ドンジュの前に姿を現し、仕事を辞めて自分の人生から出て行くように説得しようとした。しかし、ウン・ドンジュはすでにサビーナの嘘を見抜いており、真実を明らかにしようと迫った。追い詰められたサビーナは感情を爆発させ、自分が本当のウン・ドンジュだと主張し、ウン・ドンジュに自分の世界から出て行くように要求した。しかし、ウン・ドンジュの記憶は徐々に蘇り、サビーナが敵ではなく、自分の本当の妹であることに気づき始めた。
その頃、イ・ミドゥムはイ・サランを連れてチャ・ピルスンに会いに警察署を訪れたが、チャ・ピルスンが家族と距離を置こうとしていることを知り、落胆を隠せない。チェ・ジュンギは両親の離婚を回避しようと奔走するが、成果は上がらなかった。そして、ウン・ドンジュは病院を飛び出し、サビーナと直接対決しようと決意した。サビーナは無理やりウン・ドンジュを車に乗せ、その場面を尾行していたチェ・ジュンギが目撃する。彼は真相を突き止めようと、二人をこっそり追いかけた。
同時に、チャ・ピルスンはシン・ランスクの電話の内容から、彼女がウン・ドンジュに危害を加えようとしていることに気づき、後を追った。真実、親情、そして贖罪をめぐる戦いが静かに幕を開けた。車内では、ウン・ドンジュとサビーナの言い争いが激しさを増し、ウン・ドンジュはサビーナにすべての嘘を認めさせようとする一方、サビーナは深い自責の念と葛藤に苦しんでいた。
第17話 感想
第17話は、緊迫感と感情の揺れ動きが際立つエピソードでした。ウン・ドンジュの事故、そしてそれを取り巻く様々な人間模様が複雑に絡み合い、物語は一気に核心へと迫っていきます。
特に印象的なのは、サビーナの苦悩です。真実を知りながら、母に逆らえず、偽りの人生を続ける彼女の葛藤は見ていて胸が締め付けられます。悪夢にうなされるシーンからも、彼女の精神状態が限界に達していることが伝わってきました。一方、記憶を取り戻しつつあるウン・ドンジュは、力強く真実を追求しようとする姿が印象的です。姉妹でありながら、互いの立場や境遇の違いから対立してしまう二人の姿は、運命の残酷さを改めて感じさせます。
チャ・ピルスンは、失恋の痛手を抱えながらも、ウン・ドンジュを心配し、事件の真相に迫ろうとする姿が頼もしく描かれています。彼の存在が、この複雑な物語に一筋の光を差し込んでいるようにも感じました。また、チェ・ジュンギが両親の離婚を阻止しようと奔走する姿も印象的です。彼の真摯な思いが、両親の心を動かすことができるのか、今後の展開が気になります。
つづく