重要な会社会議で、チン・ナミはチェ・ジュンギ夫妻、チャ・ピルスン、そしてウン・ドンジュを招集した。正義感と責任感から、チャ・ピルスンはチェ・ジュンギに自らの過ちを認め、自首するよう強く勧めた。しかし、この提案にサビーナは激しく仮発し、チェ・ジュンギを庇った。膠著状態の中、チン・ナミは断固とした態度でチェ・ジュンギに経営権放棄の書類への署名を要求し、チャ・ピルスンとウン・ドンジュを常任理事に昇格させ、自身の全株式を難病基金に寄付すると宣言した。この突然の決定にチェ・ジュンギ夫妻は驚きと怒りを露わにし、退席した。

チャ・ピルスンとウン・ドンジュはチン・ナミの決定に戸惑い、考え直すよう説得を試みるも、彼女の決意は揺るがなかった。サビーナは全てがウン・ドンジュの策略だと誤解し、激しく非難した。口論の末、サビーナは階段から転落し、流産してしまう。ウン・ドンジュは助けようとしたが、悲劇を防ぐことはできなかった。

チャ・ピルスンは友人イ・ソンウクと子供を訪ねた際、イ・ソンウクが頻繁に頭痛に悩まされていることに気付く。検査の結果、記憶の捏造の可能性が浮上し、チャ・ピルスンは衝撃を受ける。一方、莎菲ナの流産を知ったシン・ランスクは病院に駆けつけ、チン・ナミの冷酷さを責め立てた。チェ・デソンもまた、チン・ナミの無情さを激しく非難した。

チン・ナミ自身も病状が悪化していたが、家族を心配させまいと一人で苦しみに耐えていた。ウン・ドンジュに付き添われ病院で検査を受けた結果、片目は既に失明しており、もう片方の視力も著しく低下していることが判明する。この新たな打撃にチン・ナミは更にウン・ドンジュに頼るようになり、残された視力があるうちに財団設立を成し遂げようと決意を新たにした。

子供を失ったサビーナは、母の言葉に影響され、全ての怒りと憎しみをウン・ドンジュにぶつけ、彼女が全てを奪おうとしていると誤解し、復讐を誓う。一方、祖母とハン・スミはオ・ミジュの様子がおかしいことに気付き、妊娠の可能性を疑う。オ・ミジュ自身も驚きと恐怖で事実を受け止めきれずにいた。

シン・ランスクはチャ・ピルスンとウン・ドンジュがハン・ギヨンの出生の秘密を隠していたことを知り、この事実を利用してチン・ナミとの関係を壊そうと企む。サビーナを使い、チン・ナミにハン・スミとハン・ギヨンの写真を見せ、不信感を植え付けようとする。しかし、ウン・ドンジュは莎菲ナの陰謀に気付き、間一髪でチン・ナミを守った。

この回は複雑な感情の縺れと対立で満ちている。登場人物それぞれが自身の立場と利益のために闘い、真実と嘘、信頼と裏切りが交錯し、物語はますます緊迫感を増していく。

第28話の感想

第28話は、息もつかせぬ展開で、登場人物たちの感情のジェットコースターに乗せられたような感覚でした。特にチン・ナミの決断は衝撃的でした。経営権放棄と全株式の寄付という大きな決断の裏には、彼女の強い意誌と覚悟が感じられます。しかし、その行動が周りの人々に大きな波紋を広げ、悲劇を生んでしまう皮肉さも描かれており、複雑な気持ちになりました。

莎菲ナの流産はあまりにも痛ましい出来事でした。ウン・ドンジュを責める気持ちも理解できますが、すべてを彼女のせいにしてしまうのは少し酷な気がします。流産という悲しみの中で、さらに憎しみに囚われていく莎菲ナの未来が心配です。

つづく