イ・ミドゥムとイ・サラン兄妹は父親のイ・ソンウクの帰りを待ちわびていたが、イ・ソンウクはチェ・ジュンギの運転する車にはねられてしまう。この一部始終を目撃したサビーナは、イ・ソンウクとの関係が露見することを恐れ、チェ・ジュンギにイ・ソンウクを路肩に移動させ、口論の末に仲直りしたように見せかけるため、キスをする芝居を打つ。
ちょうどその時、チャ・ピルスンの車に乗っていたウン・ドンジュが異変に気付き、車を降りて状況を確認する。サビーナはチェ・ジュンギと喧嘩して車を停めたが、今は仲直りしたと説明する。ウン・ドンジュは腑に落ちないものを感じながらも、それ以上の証拠を見つけられず、チャ・ピルスンと共にその場を去る。チャ・ピルスンはウン・ドンジュのお節介を少しばかり非難するが、ウン・ドンジュはこの一件が何かおかしいと感じていた。
サビーナは危機を一時的に脱した後、チェ・ジュンギと相談し、二人の関係を守るためという名目でイ・ソンウクを人気のない工事現場に放置する。サビーナはチェ・ジュンギを深く愛しており、共に罪を償う覚悟だと告げ、その言葉にチェ・ジュンギは深く感動する。
一方、チャ・ピルスンとウン・ドンジュはイ・ソンウクの家を訪ね、誰もいない家で不安そうにしているイ・ミドゥムとイ・サランを見つける。ウン・ドンジュは二人を不憫に思い、子供たちの世話をするために残ろうとするが、チャ・ピルスンは仮対し、警察署に連れ帰ろうとする。幸いにも、吳美珠がウン・ドンジュをかばい、彼女は一時的にそこに留まることができた。
同じ頃、チン・ナミは視力の衰えを感じ、自身の健康状態が悪化していることに気付き、息子であるチェ・ジュンギとサビーナの結婚にますます不満を抱く。また、チェ父は車の点検中に、車の前部に衝突の痕跡を発見し、不審に思う。チン・ナミの秘書であるハン・スミもこの異変に気付き、チン・ナミに報告する。母親の追及に対し、チェ・ジュンギは鹿にぶつかったと嘘をつく。
事態の深刻さを悟ったサビーナは、シン・ランスクに助けを求め、イ・ソンウクを病院に運んで治療を受けさせようと頼む。シン・ランスクの説得により、二人はイ・ソンウクの家を訪れる。サビーナはイ・ソンウクの携帯電話を握りしめ、画面に映るイ・ミドゥムの写真を見て複雑な気持ちになる。シン・ランスクは彼女の心中を察し、実の息子への想いがまだ残っていることを理解し、彼女の心の痛みを少しでも和らげようと、イ・ミドゥムに会わせる。
チャ・ピルスンとウン・ドンジュは、祖母を安心させるため、二人で嘘をつく。しかし、祖母が帰った後、チャ・ピルスンが警察署へ行こうとすると、ウン・ドンジュは彼の額の傷に気付く。仕方なく、チャ・ピルスンは病院で休むことになる。夜遅く、ウン・ドンジュは5歳の時に母親に捨てられた自身の過去を思い出し、イ・ミドゥムとイ・サランの境遇と重ね合わせ、涙を流す。同時に、彼女はチャ・ピルスンが7歳の時に両親を亡くしたという悲しい過去を知り、二人は深い共感を抱く。
第3話の感想
第3話は、それぞれの登場人物の葛藤と苦悩が深く描かれた回でした。サビーナは、愛と罪悪感の間で揺れ動く複雑な心情が見て取れます。事故の隠蔽工作を進める一方で、息子であるイ・ミドゥムへの想いを断ち切ることができず、苦しむ姿は胸を締め付けられます。シン・ランスクの言葉と、イ・ミドゥムの写真を目にした時の彼女の表情は、母としての愛情と、犯した罪の重さとの間で引き裂かれる彼女の心情を物語っていました。
一方、ウン・ドンジュは、幼い頃に母親に捨てられた自身の経験と、イ・ミドゥムとイ・サランの境遇を重ね合わせ、深い共感を抱きます。子供たちを守りたいという一心で行動する彼女の姿は、母性愛の強さを改めて感じさせます。また、チャ・ピルスンとの関係性も変化を見せ始めました。互いの辛い過去を共有することで、二人の間に生まれた絆は、今後の展開に大きな影響を与えていくのではないでしょうか。
そして、チェ・ジュンギは、サビーナへの愛と、自身の保身の間で葛藤しています。母親であるチン・ナミの仮対や、父親の疑惑など、周囲の状況は彼を追い詰めていきます。嘘を重ねることで、事態はより複雑化していくことが予想され、今後の彼の行動が物語の鍵を握っていると言えるでしょう。
つづく