チャ・ピルスンは古い資料を整理していた際に、MS病患者に関する重要な手がかり、つまり殷姓の患者がイン・ジョンスただ一人であるという名簿を発見します。彼はすぐにウン・ドンジュを思い浮かべ、彼女の父親がこの患者ではないかと推測します。実の両親を探す手伝いをしてほしいと懇願するウン・ドンジュに対し、チャ・ピルスンは冷淡に、自分で解決するように言います。しかし、この態度は、複雑に絡み合った感情への彼の深い思慮の裏返しでした。

一方、シン・ランスクは、サビーナにイン・ジョンスのあらゆる情報を覚えさせ、ウン・ドンジュになりすまそうと画策しています。実は、サビーナはシン・ランスクと既婚男性との間に生まれた娘で、娘の将来のため、シン・ランスクはウン・ドンジュを戸籍のない「影」にすることも厭いません。シン・ランスクは野心家で、サビーナがチン・ナミのように財閥家に嫁ぎ、裕福な暮らしを送ることを夢見ています。チン・ナミはシン・ランスクを信頼しているため、サビーナとチェ・ジュンギの結婚を快諾しています。チェ・デソンはそれを茶化し、チン・ナミの純粋さを褒め称え、シン・ランスクとサビーナは運命が変わる喜びに浸っています。

同時に、ウン・ドンジュは父親の写真を見られるかもしれないという知らせに喜びを感じています。オ・ミジュは、再び傷つく可能性もあるため覚悟するように忠告しますが、それでも彼女は前に進むことを決意します。エレベーターで体調を崩したチン・ナミに遭遇したウン・ドンジュは、ためらうことなく彼女を助け、エレベーターの扉が開いて初めて、助けた相手が会社の会長だと気づきます。ハン・スミはこの件について沈黙を守り、ウン・ドンジュにチン・ナミの病状を秘密にするように指示し、MSの創設メンバーであるキム・スンナ牧師を訪ねるよう促します。父親の情報が得られるかもしれないからです。

イ・ソンウク事件を深く調査していくうちに、チャ・ピルスンはサビーナとウン・ドンジュの間に浅からぬ関係があると確信し、二人の関係をさらに探ろうと決意します。ウン・ドンジュは約束を守り、イ・サランを動物園に連れて行く計画を立てます。彼女の優しさと責任感に周囲の人々は感動し、チャ・ピルスンも例外ではありません。二人の間には、かすかな感情が芽生え始めています。

資金難に陥ったオ・ミジュとチャ・ピルスンは、それぞれウン・ドンジュに援助の手を差し伸べ、彼女に温かさを感じさせます。病気が治ったチン・ナミは、自分の余命が少ないことを悟り、後事を考え始めます。彼女は弁護士に会うことを求め、そこでチェ・デソンが自分に心から気を遣ってくれていたことに気づき、二人の関係は和らぎ始めます。

サビーナはチェ・ジュンギとの結婚を夢見て、二人で会社の屋上から夜景を眺め、未来の幸せな生活に思いを馳せます。一方、チャ・ピルスンはウン・ドンジュの善行を目の当たりにし、自ら子供たちと動物園に同行することを決意します。二人の関係は、穏やかな雰囲気の中でさらに深まっていきます。

ウン・ドンジュが勇気を振り絞ってキム・スンナ牧師のもとを訪ね、真実を求めようとしたその時、同じく訪ねてきたチン・ナミとサビーナに遭遇します。身分、愛、そして犠牲をめぐる真実が、キム・スンナ牧師の前で、今まさに明らかになろうとしています…。

第8話の感想

第8話は、それぞれの登場人物の思惑が複雑に絡み合い、緊張感が高まる展開でした。特に、ウン・ドンジュの出生の秘密が少しずつ明らかになりつつある点が、今後の物語の鍵を握っていると感じました。彼女は実の両親を探すという強い意誌を持ちながらも、周囲の人々への優しさと思いやりを忘れない、芯の強い女性として描かれています。そんな彼女が、真実を知った時、どのような仮応を見せるのか、今から非常に楽しみです。

対照的に、シン・ランスクの冷酷さと野心的な行動は、見ていてハラハラさせられます。娘のサビーナのために、他人の人生を踏みにじることも厭わない彼女の姿は、まさに悪役そのもの。しかし、そこには母としての愛情も見え隠れしており、単純に憎むべき人物として割り切れない複雑さも感じます。サビーナ自身も、母に操られる人形のような存在であり、彼女の今後の変化にも注目したいです。

また、チャ・ピルスンとウン・ドンジュの関係性の変化も、このドラマの見どころの一つです。最初は冷淡だったチャ・ピルスンが、ウン・ドンジュの優しさに触れることで、徐々に心を開いていく様子が丁寧に描かれています。二人の間に芽生え始めたロマンスが、今後どのように発展していくのか、期待が高まります。

つづく