キメラ 第10話 あらすじ/ネタバレ
深夜、鋭い洞察力と弛まぬ努力で、チャ・ジェファンはついにユジンが巧妙に仕掛けた罠に足を踏み入れ、ユジンと協力して狡猾なカン・サンギュを逮捕することに成功する。しかし、警察の決定的な証拠を突きつけられても、カン・サンギュは頑なに罪を否認し、現場に残された指紋は彼が逃れられない鉄証となった。さらに懸念を深めるのは、彼がソ・ヒョンテの家の中に時限爆弾を仕掛けたと主張したことだ。この知らせは警察の神経を一気に張り詰めた。
経験豊富な女性刑事であるユジンは、カン・サンギュの言葉は虚偽ではないと直感し、グァンシウを説得して特殊部隊をソ・ヒョンテの邸宅に派遣して捜索を行う。一方、ユジン自身は、カン・サンギュが進んで罪を被った謎を解き明かそうと決意する。なぜなら、彼は真の「キメラ」ではないからだ。
一方、チャ・ジェファン率いる特殊部隊は、ソ・ヒョンテの自宅で前例のない抵抗に遭遇する。当初の断固たる拒否から後の条件交換まで、一歩一歩が緊張と対峙に満ちている。最終的に何も得られなかったものの、ユジンはカン・サンギュのわずかな言葉から、彼が言う「爆弾」は実際には放射性物質であることに鋭く気づいた。さらに、チョン・ギョンヨンがカン・サンギュの自宅で偶然発見した防護服は、この推測を裏付けるものであり、全員を戦慄させた。
病院では、イ・ファジョンとソ・ヒョンテがそれぞれ厳重な隔離検査を受けているが、イ・ファジョンの心には波紋が広がっていた。彼女は、今回逮捕されたカン・サンギュは単なるスケープゴートに過ぎず、真の「キメラ」はまだ闇躍しているのではないかと感じ始めていた。チョン・ヨンの闇示、イ・サンウの死の疑点は、ソ・ヒョンテグループ内部に黒幕がいるのではないかと疑念を抱かせる。この発言はソ・ヒョンテを激怒させ、彼はイ・ファジョンにチョン・ヨンを始末するよう要求する。一方、チョン・ヨンはTH5論文を盾にイ・ファジョンを窮地に追い込む。
祝賀会では、捜査本部のメンバーは「キメラ」を逮捕した喜びに浸っているが、チャ・ジェファンは心の不満を隠せない。真犯人がまだ逃亡中であることを彼は知っており、クァンシクの昇進は彼にとって皮肉に感じられた。イム・ピルソンの冷淡な言葉は、チャ・ジェファンがハン組長に対する清廉潔白の最後の幻想を打ち砕き、クァンシクも深い自己嫌悪に陥らせる。
同時に、チョン・ヨンとファン女士の出会いは、新しい手がかりを明らかにする。ユ・スンヒ、TH5事件で謎の失踪を遂げた重要人物だ。ファン女士の予感は不吉なことを予感させ、チャ・ジェファンがユ・スンヒについて質問しても、ソ・ヒョンテは「知らない」とごまかしてしまう。キム記者の意外な発見は、ユ・スンヒの失踪がTH5の醜聞と密接に関連していることを示唆しており、彼は脅迫された可能性さえある。
捜査が進むにつれて、ファン女士はユ・スンヒの悲惨な結末と思われる大火での「死」を明かす。しかし、その後に出現した目撃報告は、すべてを不可解なものにした。チャ・ジェファンはユ・スンヒはすでに死亡していると確信しているが、チョン・ヨンはわずかな希望も諦めようとはしない。彼は、ユ・スンヒが大火を利用して逃亡計画を実行したのではないかと信じている。
そして、この複雑に入り組んだ事件の背後では、ウンジュとソ・ヒョンテの偶然の出会いが、塵封された記憶の扉をゆっくりと開く鍵となる。ウンジュは、自分が35年前に起きたキメラ事件の当事者であったことに驚き、彼女の記憶は潮のように押し寄せ、すべての人の運命を再び強く結びつける。
第10話の感想
第10話は、物語が大きく動き出し、緊張感と謎がさらに深まる展開となった。特に、チャ・ジェファンとユジンが協力してカン・サンギュを逮捕するシーンは、ハラハラドキドキさせられた。また、イ・ファジョンがソ・ヒョンテグループ内部に黒幕がいるのではないかと疑い始めるシーンは、今後のストーリー展開を予想させる重要なポイントとなった。
一方、チョン・ヨンとファン女士の出会いは、新たな手がかりとなるユ・スンヒという人物の存在を明らかにした。ユ・スンヒの失踪とTH5事件の関連性、そして彼の生死の真相は、今後の大きな謎となりそうだ。
つづく