ごめん、愛してる 第12話 あらすじ/ネタバレ
夜が深まるにつれ、ムヒョクは重い足取りでチェ・ユンの病室に入っていった。そこには、チェ・ユンのベッドの横に静かに横たわるソン・ウンチェの姿があった。彼女は憔悴しきっており、高熱のため意識を失っていた。ムヒョクの心は張り裂けそうになった。彼は何も言わずに、優しくも力強くソン・ウンチェを抱き上げ、病院へと急いだ。
道中、彼はチェ・ユンの母親に責め立てた。息子だけを心配し、同じく看病が必要なソン・ウンチェをないがしろにする母親を非難した。チェ・ユンの母親は仮論しようとしたが、ソン・ウンチェの父親にすぐさま製止された。彼は、ムヒョクの命が風前の灯火であることを低声で伝えた。
朦朧とした意識の中で、ソン・ウンチェが目覚めた。最初に目にしたのは、彼女の ?を強く握るムヒョクの姿だった。彼女は驚き、すぐにムヒョクの手を振りほどき、チェ・ユンのそばに戻っていった。その光景は、まるで鋭利な刃物のようにムヒョクの心を突き刺した。彼は、遠ざかっていくソン・ウンチェの後ろ姿を見つめ、言葉にできない苦しみと無力感に包まれた。
病室の重苦しい空気を和らげるため、チェ・ユンはソン・ウンチェと一緒に散歩に出かけたいと提案した。温かみのあるレストランで、チェ・ユンはロマンチックにピアノを弾き始め、ソン・ウンチェに愛を伝え、プロポーズをしようとした。しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。チェ・ユンは突然倒れ、すべての夢は打ち砕かれた。ムヒョクはすぐに仮応し、チェ・ユンを緊急に病院へ搬送した。彼の心には、チェ・ユンへの心配と自分自身の運命に対する無力感の嘆きが渦巻いていた。
ムヒョクが余命いくばくもないことを知ったチェ・ユンの母親は、冷酷な計画を立て始めた。彼女は、息子の命を救うためにムヒョクの心臓を利用しようと考えた。そのため、彼女はスクギョンに謝罪する名目で、たくさんのプレゼントを用意し、ムヒョクの家を訪れた。ムヒョクと家族が幸せそうに過ごしている姿を見て、彼女は一瞬、その温かさに心が動かされそうになった。しかし、最終的には心の奥底にある冷酷さが勝ってしまった。
ムヒョクは家に帰ると、母親の訪問に驚き、少しは親子の情を取り戻せるかもしれないと期待した。しかし、彼女は心臓機能を強化するための薬を残していった。真実を知ったムヒョクは怒りに震え、母親の部屋の前まで走り、全身の力を振り絞って怒りと絶望を叫んだ。
すべてを見守ってきたソン・ウンチェの父親は、ムヒョクの悲痛さに心を動かされ、複雑な感情に包まれた。そのとき、ソン・ウンチェが家に戻ってきた。彼女は、部屋の前で怒り狂うムヒョクの姿を目撃した。彼女は、ムヒョクの過去の言葉を思い出し、目の前の光景と重ね合わせると、すべてが明らかになった。ソン・ウンチェは驚きと同時に、胸が張り裂けるような痛みを感じた。彼女はムヒョクの後ろ姿を見つめ、チェ・ユンへの深い愛情と、ムヒョクへの言いようのない罪悪感と同情が入り混じった複雑な感情が込み上げてきた。
この夜は、すべての人にとって長く苦しい夜となった。それぞれの心には、誰にも知られていない秘密と傷が隠されていた。そして、それはすべて、これから訪れる嵐の前触れのようだった。
第12話 感想
第12話は、登場人物たちの心の葛藤が鮮明に描かれた回だった。特にムヒョクの苦悩と怒りは、見ているこちらも胸が締め付けられるほどだった。また、チェ・ユンの母親の冷酷な計画は、人間のエゴイズムを垣間見せてゾッとするものがあった。
ソン・ウンチェの揺れる気持ちも切なかった。チェ・ユンへの愛情とムヒョクへの同情が入り混じり、彼女は苦しんでいた。しかし、ムヒョクの怒りを目にしたことで、真実を受け止め、決意を固めたように見えた。
つづく